- 木場しのぶ
- ライター、コーディネーター、フォトグラファー。専ら端午の節句生まれを誉れとし、鯉幟を吊るす竹のように生きることを目指す。趣味・興味は多方面に渡るが、特に“食べて飲んで湯に浸かる”の3拍子をこよなく愛する。イタリア語通訳案内士資格を所持し、通訳としても活動。著書『蝦(エビ)で釣られたイタリア』は涙と笑いのイタリア滞在記。
出発エリアをに変更しました。
アヴァンチュリン(Avventurina/アッヴェントゥリーナ)の3点セット。ネックレス:100ユーロ、ブレスレット:140ユーロ、指輪:72ユーロ
「hard stone(ハード・ストーン)」って、何のことだか分かりますか?
イタリア語でそれは「pietra dura(ピエトラ・ドゥーラ)」というのですが、私ったら今まで、そういう名前の石があるんだろう、なんてぼやぁ〜っと思っていたんです。もしかしたら私と同じような方がいるかもしれないので、少しご説明を。
「ハード・ストーン」とは「precious stone(プレシャス・ストーン)」に対して使われる言葉。つまりストーン(石)は、プレシャス(貴重な、高価な)とハード(硬い)に分けられるんですね。プレシャス・ストーンってのが、いわゆるjewelry(ジュエリー/宝石)。ダイヤやエメラルド、ルビーにサファイヤなど、産出量の少ない美しい鉱物のこと。それに対してハード・ストーンとは、オニキスやアバンチュリンなど比較的低価格の鉱物のことだったんです。
「AXIA(アクシア)」の外観。間口の狭い小さな店には、センスのいい商品がたくさん。大聖堂ドォーモからわずか徒歩3分ほど
お待たせしました。それでは、「ハード・ストーン」の店「AXIA」ようこそ!
86年のオープンから20年。ここはフィレンツェの街のド真ん中にあるというのに、ひっそり佇むという言葉の似合う店。しかし店内はというと、6畳ほどの小さなスペースに、どれもこれも自らの存在をアピールせんとばかりに個性的な商品が並んでいるんです。全て、オーナーのELIANE(エリアン)さんが自分で見て選ぶのだとか。エリアンさんはイタリアに住んで30年のフランス人なのですが、このセンスの良さは、伊仏融合のなせる技なのかもしれません。
シルバーにエナメルをカラフルに施したジュエリー3点セット。ネックレス:110ユーロ、ブレスレット:59ユーロ、指輪:85ユーロ
あっちもこっちも素敵で選べない!そんな経験って誰しもあると思いますが、私ってこんなに嗜好散漫だったっけ!?と思うほど、それが、黒だったりピンクだったり、ベージュ、そして緑と目移りしていくんです。大胆なのも控えめなのも、エレガントなものもカジュアルなものにも気がそぞろ。派手なのにけばけばしくなくて、大振りなのに上品。店にはハード・ストーン商品の他にシルバー・ジュエリーもあるんですが、現在はシルバーよりも石使いのほうが人気があるそうです。
琥珀のネックレス:200ユーロ
ハード・ストーン――。プレシャス・ストーンのように光り輝くわけではないけれど、幾何学的に形を整えられたものとは全く異なる魅力を持っています。それは、反対に角をなくし丸みを帯びせたハード・ストーンの温かさなのでしょうか。ネックレスもブレスレットも指輪も、輝きや色の深さを追求する代わりに、それぞれの石本来の姿を精一杯表現しているようにも見えます。
ハード・ストーン=硬い石、とはいうけれど、実はとても優しい石。あなたにちょうどいい温度の石が、見つかるといいですね!
■ AXIA(アクシア)
住所:Via Zannetti 22r, FIRENZE
電話番号:(+39)055-217513
営業時間:10:00〜13:00/15:30〜19:30
定休日:日月祝
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/08/31)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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