- 木場しのぶ
- ライター、コーディネーター、フォトグラファー。専ら端午の節句生まれを誉れとし、鯉幟を吊るす竹のように生きることを目指す。趣味・興味は多方面に渡るが、特に“食べて飲んで湯に浸かる”の3拍子をこよなく愛する。イタリア語通訳案内士資格を所持し、通訳としても活動。著書『蝦(エビ)で釣られたイタリア』は涙と笑いのイタリア滞在記。
出発エリアをに変更しました。
レストラン「グスタヴィーノ」と「ラ・カノーヴァ・ディ・グスタヴィーノ」前の、街頭に照らされた素敵なオープンテラス
祝祭日に通りの両端をふさいで“歩行者天国”ってのは、案外ある話。でも、木・金・土曜の夜になると街路の両端をふさいで“オープン・レストラン”っての、聞いたことあります?日中は車も通る普通の通りが、定刻の8時になると、開放感たっぷりの青空ホールに早変わり。つまりその通りに並ぶレストランやバールが、自分たちの店の前にテーブルとイスを並べるんです。もちろんこれは市の許可を得ての営業。とはいっても暖かいシーズンのみで、ご紹介が遅くなり申し訳ないのですが、今年もその季節が1ヶ月を残すところとなりました(10月末まで)。
通りは、フィレンツェの街中の、Via della Condotta(ヴィア・デッラ・コンドッタ)。今日はそこに並ぶ、私の超お薦めレストランをご紹介しまーす!
「グスタヴィーノ」の店内。無機質っぽいテーブルと絵画との調和するお洒落な空間
1軒は「GUSTAVINO(グスタヴィーノ)」。そしてもう1軒、「LA CANOVA DI GUSTAVINO(ラ・カノーヴァ・ディ・グスタヴィーノ)」。「えっ、2軒?」と思ったでしょう?そう、2軒です。隣合せの2軒のレストラン。店の雰囲気も全く違えば、メニューも大幅に異なる2軒。前者がモダンな内装で見た目も麗しいアート的料理なら、後者は田舎風な造りで昔からの庶民の料理を提供するお店。でもね、この正反対のお店、どっちの雰囲気もグーだし、料理もとってもイケてるんです。
もったいぶらずにお教えすると、実はこのふたつのレストランは、入り口は別々だけれど店の中では繋がっているという面白い店構え。オーナーが同じなんですね。そして、このふたつのレストランには共通点があって、実はどちらも地元料理のお店なのです。
「アンティチョーク、チコッタチーズetc..の蜂蜜風味」は、初めて舌に載せる感動の味
「グスタヴィーノ」は、昔の富裕層の料理を基本にしてちょいと斬新にアレンジしたもの。いわばヌーベル・クィジーヌ風。自家製の蜂蜜やバルサミコ酢をふんだんに使った料理は、初めて体験する味。中でも「アンティチョーク、リコッタチーズ、松の実、干しぶどうのパイ包み、蜂蜜、ペースト風味(長いネーミングです)」は、シェフの大傑作!!頬が落ちるってのはまさにこの味!
「パッパ・アル・ポモドーロ」は、この地方の庶民の味。「庶民の味がこれほど超越した味とは」と、イタリア料理に敬服する一品
それに対して「ラ・カノーヴァ・ディ・グスタヴィーノ」は、この地方の昔からの庶民の味を忠実に再現した、こくの有る味。スープ類は数時間煮込んでいて、私のいち押しは「パッパ・アル・ポモドーロ」や「リヴォッリータ」。やみ付きになること間違いなし!この店ではまた、オーナーが経営するワイナリーの自家製ぶどう酒の試飲もできます(月〜金/16:00〜19:00)。
どちらの店も甲乙付けられない、唸らせる味!
こんな一流シェフの料理を、路上で味わう……!?へぇ〜っと、違和感がありそうですけど、これこそフィレンツェの夏の醍醐味。毎年恒例なので、是非経験してください。
オープン・レストラン以外の時期でも、是非是非このふたつの店の新旧トスカーナ料理はご賞味あれ。幸せ〜♪を感じますから。
■GUSTAVINO(グスタヴィーノ)
住所:Via della Condotta, 37/r
営業:(月〜金)19:30〜23:30/(土・日)12:30〜15:30/19:30〜23:30
*11月1日より夜の開店は19:00から
その他:10月末までのオープンテラスあり(木・金・土)20:00〜24:00
■LA CANOVA DI GUSTAVINO(ラ・カノーヴァ・ディ・グスタヴィーノ)
住所:Via della Condotta, 29/r
営業:12:00〜24:00
その他:ぶどう酒の試飲は月〜金:16:00〜19:00
*以下共通
電話:(+39)055-2399806
URL:www.gustavino.it
定休日:なし
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/10/15)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
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