王国から一都市になったジェノバ

イタリアは、料理をはじめとする文化が地方によって大きく違います。地方ごとに郷土色が強い理由は様々ですが、そもそもイタリアという国が成立したのは1861年のことで、国としては決して歴史が古くはないことが大きな理由でしょう。たとえば北イタリアの港町として知られるジェノバは、11世紀から18世紀にかけてはジェノバ共和国という国家でした。その後、フランス領になり、今のイタリアの前身であるサルデーニャ王国に併合されました。名作アニメにもなった「母を訪ねて三千里」は、主人公マルコがイタリアの都市になったジェノバからアルゼンチンのブエノスアイレスまで旅をするという物語です。この物語では、王国から一都市となり衰退していた頃のジェノバの様子が描かれています。

郷土料理と地元ワインで、美味しいイタリアの旅を。リグーリア州編 郷土料理と地元ワインで、美味しいイタリアの旅を。リグーリア州編

魚介類が豊富なリグーリア州

ジェノバはイタリアの北西部、フランスに接したリグーリア州にあり、国内では最大の貿易港として知られています。温暖な地中海に面したジェノバからやってくる新鮮な魚介類が、リグーリア州の食の中心となっています。魚介類を使ったリグーリア州の名物料理といえば、「カッポン・マグロ」と呼ばれるサラダ。魚、根菜、豆類を別々に茹でて、「サルサ・ヴェールデ」と呼ばれるイタリアンパセリ、アンチョビ、ケイパー、酢で作られたソースで和えます。この料理の起源については、漁師の保存食だったとか、貴族の余りものを召使いが刻んで食べたものだとか、いくつかの説があります。

郷土食あふれるパスタ

バジルがたくさん取れるリグーリア州には「ジェノベーゼペースト」というソースがあります。バジルをニンニク、松の実、ペコリーノチーズ、パルミジャーノチーズと混ぜてすり潰し、エクストラバージンオリーブオイルを加えて作ります。また、ちょっと変わったパスタもいくつかあります。ねじれて細長い「トロフィエ」、薄くて四角い「マンディリ・ディ・セェ」、長くて真ん中が少し膨らんだ「トレネッテ」の3つがおすすめです。ジェノベーゼペーストと合わせて、お楽しみください。

リグーリア州でしか味わえない、旅の食事!

リグーリア州のD.O.C.ワインの生産量はイタリア20州のうち18位です。輸出が少なく、その大半は地元で消費されています。14世紀のイタリアの詩人、ペトラルカの作品にも登場する辛口の白ワイン「チンクエ・テッレ」の葡萄畑は海に突き出た断崖にあります。地元でしか手に入らないチンクエ・テッレを飲み、ジェノベーゼペーストを絡めたパスタを主食に、カッポン・マグロを食べる。リグーリア州で、そこにしかないワインと郷土料理を堪能する、これはまさに旅の醍醐味ですね。