- 堂剛
- イタリア・フィレンツェ在住。2003年単独イタリア在住を決意し、中世の街オルビエートに移住。現在はフィレンツェを中心に幅広く日本とイタリアの架け橋を構築。日本人向けサイト「アーモイタリア」やイタリア人向け「ベルジャッポーネ」もその一つ。ワインと料理を愛し、イタリア全土の美味しいもの発掘がライフワーク
出発エリアをに変更しました。
ノルチャの代名詞であるサラミ屋さん。ハムやサラミを使った飾り付けは食欲をそそります
中部イタリア、ペルージャ近くにあるノルチャという町を知っていますか?人口約5,000人の村とも呼べる規模のその町は、イタリア人なら誰もが知っている有名な町。なぜならイタリアの食卓に欠かせない生ハムやサラミなどの食肉加工品屋さんをイタリアでは「ノルチネリア」と呼び、ノルチャはその呼び名の発祥の地であり、豚肉加工品の代名詞ともなっているからです。
町の中心にある広々とした聖ベネディクト広場。正面に見えるのはサン・ベネディクト大聖堂でその前には立派な聖人の像がそびえます
ノルチャの町の歴史はとても古いです。紀元前300年ころに古代ローマ人に建設され中世にはとても華やかな時代を迎えます。またヨーロッパの守護聖人である聖ベネディクト(480年生まれ)はここノルチャの出身で、町の中には歴史的に貴重な建造物、教会が数多く残り、巡礼や観光の人が絶えません。
でもやはりこの町の魅力は「ブタ肉」なのです。加工肉の他にも黒トリュフやレンズ豆などイタリア最高級品を生み出していますが、町に行けばわかります、この町は「ブタ肉」一色なのです。
どの店も遠くから一目で「肉屋」とわかる出で立ち。その派手で目立つ店構えはまるで遊園地のアトラクションのようです
町に一歩入ると、どこからともなくハムの香りが……してくるのは気のせいです。縦断するのに10分もかからない小さな町を歩いてみると、ノルチネリア(=サラミ屋さん)が驚くほど密集しています。カフェやジェラテリアが軒を連ねている通りはよく見かけますが、ハム屋さんがここまで密集している町は少ないでしょう。しかも人口わずか5000人あまりの小さな町です。
面白いのがその店づくり。どのお店も巨大な生ハムや長く連なったソーセージなどで、まるでクリスマス時期のイルミネーションのようにデコレートしているのです。マスコットはサンタの代わりにイノシシの親子だったりします。
店内ももちろん「肉だらけ」。ぶら下がる生ハムやサラミはもちろん本物で、大事な商品なんですよ
店内も魅惑的です。僕のような生ハム・サラミ好きにはまるでパラダイス!正面にはショーケースがあり中には様々な部位の肉、ハム、ソーセージが並んでいます。そして天井からは生ハム、サラミが無数にぶらさがっています。ソーセージひとつとってもたくさんの味や種類があります。唐辛子入り、フェンネル入り、豚の頚肉ソーセージ、イノシシのソーセージ……。
これらの店ではサラミや生ハムをその場でスライスしてくれます。少量買ってホテルに持って帰ってもいいですし、店内でパンに挟んでもらって、近くの公園で一息つくのも美味しい旅の思い出になるでしょう。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/10/24)
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