- 山盛菜々子
- イタリア在住。外国人記者クラブ所属。日本ではブルームバーグ、スカイイタリアのアジア特派員として生放送に出演。政治家、実業家、俳優、デザイナーなど、多数の著名人と対談。2006年4月に、フリーの記者として独立。ファッション、紀行、デザインの取材に関わることが多いが、文化、政治経済、エンターテイメントなど、ジャンルを問わずに幅広く活躍中。
出発エリアをに変更しました。
「フォロ」は、英語では、フォーラム=公共広場という意味を持つ。このフォロ・ロマーノには、ローマ帝国時代の生活の形跡が残っており、時代の都市生活がどのように発展していったかという経過を、遺跡を通して見ることができる。
構成だが、主に、神殿、バジリカ(聖堂)、凱旋門、宮殿、国会議事堂などからなっている。もともとは、丘の間に位置する湿地であったのだが、紀元前にはすでに下水道が整備され、宮殿が建てられた。アウグストウス帝の時代に、床に使われたトラバーチン(石灰華)という白い石はまだ残っており、実際に目にすることができる。
何年もの発掘調査を繰り返し、何層にも重なっている遺跡が掘り出された。フォロ・ロマーノは、洪水等の自然災害によってダメージをうけ、ローマ帝国の滅亡とともに、8世紀には、もうすでに崩壊されていたと言われている。現在見ることができるのは、ほとんどが紀元後のものである。きれいに形を残しているのは、クーリアと呼ばれる元老院。共和制時代の政治の中心であった建物である。また、ジュリアス・シーザーが暗殺された場所とも言われている。また、ローマの建国者、ロモロのお墓であるラピス・ニジェールも忘れずに。コンスタンティン帝凱旋門は、中世には、地中に埋まっていたので、そのまま形が残っている。どの柱、石をとっても、歴史のエピソードが絶えない場所である。
この巨大な遺跡は、少なくとも半日かかるので、あせらずにゆっくり廻ってみよう。信じられないようだが、入場料は無料なので、何回かにわけてみるのも一案である。観光客の少ない朝や日陰のできる夕暮れどきが、ちょうど良い。夜になると、ライトアップされるので、道から中を覗くこともできる。当時のローマ人の生活がしみじみと感じられるスペースである。「すべての道はローマに通じる」と言われるが、そのローマの起点がここにあるのである。
住所:Foro Romano
Piazza Santa Maria Nova 53, 00186 Roma Italy
電話:+39-06-699 0110
URL:http://www.archeorm.arti.beniculturali.it
営業時間:12:00〜翌1:00
定休日:年中無休
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/10/17)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて