- 山盛菜々子
- イタリア在住。外国人記者クラブ所属。日本ではブルームバーグ、スカイイタリアのアジア特派員として生放送に出演。政治家、実業家、俳優、デザイナーなど、多数の著名人と対談。2006年4月に、フリーの記者として独立。ファッション、紀行、デザインの取材に関わることが多いが、文化、政治経済、エンターテイメントなど、ジャンルを問わずに幅広く活躍中。
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ローマッ子のお墨付きレストラン「ジジェット」
ローマ帝国の総督が支配していたユダヤ地方。ローマにユダヤ人のコミュニティーができたのは、紀元前1世紀ごろと言われている。当時、およそ3万人ものユダヤ人がローマに住んでいたらしい。ローマ人と争い、宗教的弾圧に苦しみながらも、ローマのユダヤ人たちは、常に自分たちの文化としきたりを守り続けてきた。ローマの中心街には、キリスト教の支配が及ばないユダヤ人街が今でも残っている。
このような歴史が背景にあるローマのユダヤ人街だが、今では、グルメにとってたまらない地域の一つで、伝統的なユダヤ料理が楽しめるのである。地元のロマーニ(ローマッ子)が勧めるユダヤ料理の定番は、カルチョッフィ・アッラ・ジュディーア(ユダヤ風アーティチョーク)、フィオーリ・ディ・ズッキーニ・リピエーノ(ズッキーニの花の詰め物)、フィレット・ディ・バカラ(鱈のフィレ)など。
「カルチョッフィ・アッラ・ジュディーア」は、アーティチョークの茎を持ってフライパンに押し付けるようにして揚げる
これらの典型的なユダヤ料理が味わえるのが、「ジジェット」である。ユダヤ人街の中心に位置するこのレストランは、オーナーがマーケットで調達する新鮮な食材を使ったメニューが自慢。中でも、アーティチョークのフライが最高だ。カリッと素揚げした衣に、ふんわりとしたアーティチョークの甘みがマッチして、独特な味と感触を生み、病み付きになりそうだ。大きめだが、おいしいので、丸々一つペロリと食べられてしまう。このお店のアーティチョークは、ユダヤ人街のレストランの中でも評判の一品と聞いていたが、さすが舌を打つ味であった。今回、ご紹介したユダヤ風のアーティチョークの他にも、おいしいお料理が一杯のメニューに惹かれて何度も通いたくなるレストランである。
ローマのユダヤ料理に欠かせない生のアーティチョークは、市場で調達
日本では、馴染みの薄いアーティチョークだが、ユダヤ料理の典型的な材料で、今では、ローマ料理としてもすっかりとけ込んでいる。ローマ風アーティチョークは、また違う1品なので、他のお店で注文する時は、間違えないように、しっかり「『アッラ・ジュディーア』、プレーゴ」(「ユダヤ風」お願いします!)と言って頼もう。それでは次回まで。
■ジジェット Giggetto
住所: Via del Portico D'Ottavia 21/a-22, 00186 Roma
電話:+39-06-6861105
サイト:http://www.giggettoalporticodottavia.it/
定休日:月曜日、8月1−15日(夏休みは、毎年変わる可能性があるので、要チェック)
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/11/12)
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