パンテオン―光と影のコントラストから生まれる空間

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パンテオン―光と影のコントラストから生まれる空間

掲載日:2007/11/13 テーマ:世界遺産 行き先: イタリア / ローマ ライター:山盛菜々子

タグ: すごい! 建築 世界遺産



ABガイド:山盛菜々子

【イタリアのABガイド】 山盛菜々子
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イタリア在住。外国人記者クラブ所属。日本ではブルームバーグ、スカイイタリアのアジア特派員として生放送に出演。政治家、実業家、俳優、デザイナーなど、多数の著名人と対談。2006年4月に、フリーの記者として独立。ファッション、紀行、デザインの取材に関わることが多いが、文化、政治経済、エンターテイメントなど、ジャンルを問わずに幅広く活躍中。

正面はポーチ型、円堂は高く空にのびるドームがかぶさっている 正面はポーチ型、円堂は高く空にのびるドームがかぶさっている

さまざまな神様が奉られた万神殿

パンテオンは、ギリシャ語で「すべての神の神殿」を意味する。古代ローマ時代の人々は、7つの惑星の神々を信じていたが、その七神を奉る神殿として建設されたのが、パンテオンである。ギリシャ神話やローマ神話の神々を奉った神殿は、7世紀頃からは、一神教であるキリスト教の教会として使われたと言われている。そして、16世紀のルネッサンス時代ごろからは、墓として使われ、アーティストのラファエルや建築家のペルッツィの墓がある。現在でも、キリスト教のミサや結婚式が行われており、ラッキーな人は、結婚を祝うカップルの姿を見ることができる。

 

世界最大の古代コンクリートドーム

最初のパンテオンは、紀元前27年に、初代ローマ皇帝のアウグストウスの側近であったアグリッパによって建設された。しかし、紀元前80年の大火事が起こり、多くの建物が焼失し、パンテオンも破壊された。現在見ることができるのは、再建されたパンテオンであり、石に記された日付によると、125年頃に建てられたようである。再建されたとはいえ、現在見ることができるローマ時代の建物のうちでも、これほど当時の姿がそのまま形を残している建物は他にない。そして、最高の保存状態を誇る秘密は、素材にある。鉄筋コンクリートの倍の強度を持つと言われている古代コンクリートが素材として使われている。ちなみに、パンテオンは、古代コンクリートでできた世界で最大のドームである。

 

パンテオンの構造は、ルネッサンス建築の手本

パンテオンの中核構造だが、円筒の中心部、そして中堂の上にかぶさっている半球(ドーム型)の上部からなっている。中心部の円堂は、直径43.2m、床からドーム頂点の距離も43.2mである。言い換えれば、すっぽりとドームの円球が、円堂に入ってしまう。そして、建物の正面部は、ギリシャ式の円柱が支える3段のポーチ(ポルティコと呼ばれるアーケード)になっており、入り口は、広場に面している。1000年以上後のルネッサンス時代に、アーティストのブルネレスキは、フィレンツェの大聖堂を建てる際に、この複雑なパンテオンの構造を見て、インスピレーションを求めたと言われている。

 

オクルスから差し込む太陽光線が、パンテオン内部を照らしている オクルスから差し込む太陽光線が、パンテオン内部を照らしている

自然の明かりが生む光の空間

銅の扉を通り、中に一歩踏み入れると、すぐに内部一体の円形空間があり、
頭上を見上げると半球の天井には、オクルスと呼ばれる唯一の採光口(天窓)がある。そして、オクルスから入り込む太陽の光が、内部一帯の明かりを生み出している。自然の光を使うとということは、天気や時間によって明るさが変わり、床の大理石や壁の色が変わる。この自然光を巧く取り入れる効果が生かされ、光と影が遊ぶすばらしい空間がある。一方で、内部の薄暗さは神秘な感覚を呼び、詳細を見ていくと時間の経過を忘れてしまうほどである。前を通るたびに入りたくなるパンテオンは、ローマの必見ポイントである。

 

【関連情報】

住所:Piazza della Rotonda, Rome
Tel: +39.6.68300230
開館時間:08:30〜19:30(月〜土) 09:00 〜13:00(日曜日)
定休日:日曜午後(ミサによる臨時閉館もあり)

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/11/13)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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