- 山盛菜々子
- イタリア在住。外国人記者クラブ所属。日本ではブルームバーグ、スカイイタリアのアジア特派員として生放送に出演。政治家、実業家、俳優、デザイナーなど、多数の著名人と対談。2006年4月に、フリーの記者として独立。ファッション、紀行、デザインの取材に関わることが多いが、文化、政治経済、エンターテイメントなど、ジャンルを問わずに幅広く活躍中。
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選ぶのが難しいほど種類のあるチョコレートは、すべて手作り
年間消費量の4分の1にあたるチョコレートが消費されるという、日本のバレンタインデー。いまや日本の国民的行事となったバレンタインデーだが、その起源は、実はイタリアにある。バレンタインデーという日の由来に関しては、いろいろな伝説があるが、そのうち、最もロマンティックな逸話を紹介しよう。
イタリア語で、バレンタインデーは、サン・ヴァレンティーノ(カトリックの聖人であるヴァレンティーノ)と呼ばれている。2月14日は、この聖ヴァレンティーノが死んだ日である。西暦3世紀のローマ帝国では、家族を恋しがる兵士達は軍の士気を下げるという理由から、結婚が禁じられていた。それでも結婚をしたがる兵士たちの味方であったヴァレンティーノ司祭は、当時、こっそりと隠れて結婚式をあげていた。掟に反したヴァレンティーノ司祭は、当時迫害を受けていたキリスト教の司祭だったこともあり、(西暦269年)2月14日に処刑された。
また、ヴァレンティーノ司祭は、当時の皇帝、クラウディウス帝の娘を秘かに慕っていたという説もあり、「あなたのヴァレンティーノより」というメッセージを死ぬ前に残したとも言われている。ちなみに、「あなたのヴァレンティーノより(From Your Valentine)」という言葉は、今でも、アメリカやヨーロッパのバレンタインデー用カードで使われることがある。
そんな歴史を持つイタリアのサン・ヴァレンティーノ(バレンタインデー)だが、実はイタリアでは、日本ほど商業化していない。ハートのチョコレートなどは売っているが、チョコレートだけではなく、花やほかのお菓子、またはカードなどをプレゼントする人もいる。また、日本と違い、男性が女性に贈り物をするケースが普通である。この日は、外食を楽しむカップルもあり、バレンタインデーの特別メニューを設けているレストランもまれにある程度である。
とは言っても、「旅行中にバレンタインデーがぶつかって、どうしてもチョコレートを買いたい!」という人には、このお店。トリノ出身のモリオンドさんとガリッリオさんが、1800年代に開いた老舗のショコラティエ。お菓子づくりの伝統をしっかり受け継いで、現在でも、チョコレートをすべて手作りしているという。チョコレートにくるまれたオレンジピールや、ラム酒の入ったほろ苦いチョコレートがおすすめ。100年以上も同じデザインの赤い箱に入ったチョコレートは、バレンタインデーにいかがだろうか? イタリア風に、男性にプレゼントをしてもらったら?!
■Moriondo e Gariglio(モリオンド・エ・ガリッリオ)
住所:Via del Pi di Marmo,21-22, 00186 Roma
Tel: 39-06-699-0856
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/01/28)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
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