映画で手っ取り早く、イエスの生涯を知る

ヨーロッパ観光で、教会や美術館に行かないことはあまりないでしょう。その教会や美術館では、キリスト教の宗教画が多いのですが、これが日本人には曲者です。キリスト教の知識がないと、主題がわからないものが多いからです。とくに近代以前の絵画は、作家性よりも主題を伝えるために描かれているので、それがわからないとどんな名画でも、理解しているとは言いがたいのです。なかでもよく描かれるイエス・キリストの生涯ですが、知っているようで知らないということも多いのです。そこで今回はそれを手っ取り早く知ることができる、イエスが登場する映画を何本か紹介してみましょう。

ヨーロッパに行く前に観たい! イエス・キリストの生涯を映画で知る その1 ヨーロッパに行く前に観たい! イエス・キリストの生涯を映画で知る その1

戦前から映画化されているイエスの生涯

聖書ではイエスの生涯は4人の福音書家によって書かれていますが、それぞれのディティールは異なります。たとえば、「イエスは馬小屋で生まれた」という有名なあのシーンがないものもあるんですよ。イエスの生涯は西欧では有名な話なので、もちろん何度も映画化されています。戦前では、1927年のアメリカ映画『キング・オブ・キングス』(セシル・B・デミル)、1935年のフランス映画『ゴルゴダの丘』(ジュリアン・ディヴィヴィエ監督)などが有名ですね。共に、立派なイエスが登場する古典的な作品です。

イエスと同時代に生きた男を描く『ベン・ハー』

戦後のハリウッドでは、イエスが主人公という訳ではないですが1959年の超大作『ベン・ハー』もイエス映画の1本です。主人公はユダヤ人貴族のベン・ハーですが、その彼の苦難の随所に、イエスが絡んで来るからです。話もイエスの誕生に始まり、イエスの死と復活によって終るというもの。「イエスと同時代を生きた男を通してイエスを見る」というつくりです。「ベン・ハー」は戦前にも映画化されましたが、このチォールトン・ヘストン主演の1959年版が有名ですね。イエスの誕生や布教、そしてゴルゴダの丘の磔刑などの有名シーンが登場します。撮影はローマのチネチッタ撮影所や、ローマ周辺で行われました。(その2につづく)