「ライオンの口」と「武器庫」

ベネチアのドゥカーレ宮殿・その2の続きです。「十人委員会の間」の隣は「羅針盤の間」ですが、扉の脇には市民からの投書を受け付けた「ライオンの口」があります。郵便ポストのように、外から来た人がこの口に手紙を入れられるようになっているのです。陳情や密告などが行われていたのでしょうか。その奥にあるのが武器庫です。ここは中世の武器や鎧ファンは必見ですね。これで4階はおしまい。階段で3階に下りましょう。

かつては多くの囚人が投獄されていた「新牢獄」も併設 かつては多くの囚人が投獄されていた「新牢獄」も併設

ドゥカーレ宮殿最大の広さを持つ「大評議の間」

この階も多くの部屋に分かれています。法廷もあり、裁判関係はこの階で行われました。また、宮殿で一番広い「大評議の間」もあります。1000人以上の評議員が集まっただけあって、54メートル×25メートルという小体育館並みの広さです。そこにベネチアを讃える大型の絵画がいくつも並んでいます。ベネチアの“勝ち戦”を描いたものが多いですが、それらの絵を見ていると、当時の人々の服装や戦争の様子がよく伝わってきます。なかでもティントレット作の『天国』は、世界で一番大きな油絵といわれています。

刑務所まで併設していた?

さて、ドゥカーレ宮殿で裁判を受けて“有罪”となったものは、牢獄につながれることになります。もともと牢獄はドゥカーレ宮殿の1階や地下にありました。しかし次第に収容人数が増えて場所がなくなり、宮殿から小さな運河を隔てた隣に、新牢獄が作られました。外に出ないで直接牢獄に行けるようにと2階部分に架けた橋が、有名な「ため息橋」です。宮殿内部からはこの橋を渡って、新牢獄側も行くことができます。

2階は企画展の会場になっている

ドゥカーレ宮殿の2階は企画展示室となっており、期間限定の特別展をしているので、出かける予定があるならチェックしてみましょう。私が行った2015年の8月は、第一次世界大戦100年を記念してイタリアとオーストリアの戦いを振り返るという、かなりマニアな展示をしていました。これは入場無料でした。もうひとつの展示は有料で、こちらはフランスの画家のルソー展を行っていました。

出口にも注目ポイントが

中庭まで降りると、サン・マルコ寺院側に出口があります(入口には戻れない)。宮殿見学はこれでおしまいですが、出口の門のところにも注目ポイントがあります。門の足元には帝政ローマ時代のディオクレティアヌス帝による「テトラルキア」を表した像があります。この像の写真は、世界史の教科書によく掲載されていますが、ここはなんとも無造作に置かれ、ガイドブックでも扱われていませんし、観光客も気づいていない人が多いようです。なんとももったいない気がしますが、これもぜひとも見逃さないでください!