紅海のリゾート地アカバへ

幼いころ、母から「土用を過ぎたら海水浴はダメ。クラゲが出るから」と言われていました。さんざん聞かされてきた注意だったので、私はこの言いつけを破ったことがありません。しかし、日本を遠く離れた海外の海で、「いつが土用か」なんて気にしませんよね。ヨルダンの最南端、国土の中で唯一海に接している港湾都市アカバに来たとき、まさかクラゲに刺されるなどとは予想もしていませんでした。

ヨルダンのリゾート地アカバで、クラゲに刺されてしまいました……! ヨルダンのリゾート地アカバで、クラゲに刺されてしまいました……!

ステキなリゾートライフが一転、クラゲのせいでずたずた!

アカバのホテルのコテージから直接、新しい水着を着てプライベートビーチへ突進!ところがたった1分ほどで私は飛び出しました。足の立たないところまで泳いでいったとたん、クラゲに腕をずたずたに刺されてしまったのです。腕はみるみる醜く腫れ上がっていきます。あまりの痛さに、“クラゲ”を英語でなんというのかどうしても思い出せないまま、ビーチからホテルのプールまで走って退散して、プールサイドのスタンドバーにいた従業員たちに「うううー!うううー!」と目に涙をためて腕を見せました。

英単語もど忘れするほどのパニック

「Oh,jellyfish.」すらりと言われて、ああそうでした、ジェリーフィッシュというんでした……と、半べそをかきながらも感心していました。従業員の男性が、バーで使う氷をひとつかみ出して腕にすーっと塗るようにすると、痛みが和らぎます。冷静になると変なプレイみたいですが本当に気持ちがよくてホッとします。けれどもちょっとでも氷を離すと、またたちまち痛み出すので、氷をどっさりもらってひたすら冷やし続けるしかありませんでした。せっかく紅海まで来たのに、遊泳時間1分とは。このあと、死海へ行く予定でしたが、ヨルダン人たちから「そんな怪我で死海に入れるわけがない」と言われて泣く泣くあきらめました。

痛くてビックリするけど、とにかく落ち着いて!

参考までに、この「氷で冷やす」という処置は、本当は「皮膚に残った触手をピンセットなどで取り除く」「海水で洗う(真水はだめ)」という2段階のあとにおこなうのが正しいそうです。旅先での病気や怪我は、まず自分が落ち着くことが肝心です。私の場合、突然襲ってきたものすごい痛さで動転してしまい、簡単な英単語すら出なくなってしまいました。クラゲの大きな傷跡は、腕に何年も残りました。苦い教訓として、私の心にも跡が残ったのです。