エル・カズネの感動を表現できました

万人が、“そこ”へたどり着くために、等しく身を縮めてせまいところをくぐり抜けなければならない。ナバテア人とは年代は桁違いであるにせよ、お茶室のにじり口のせまさは、シクと同じだと感じたのです。いにしえの人が仕組んだ、トリッキーな舞台装置。しかしその狭さを経たなら、人々はみな等しく、劇的な場面転換に立ちあう権利を得ることができる……それこそがエル・カズネの真の魅力だということに、ついに思い至りました。茶道を連想することで、やっとペトラに来た感動を表現することができました。いろいろな遺跡を見てきましたが、遺跡でこんなに驚いたことは生まれて初めてでした。

中東旅行屈指の人気観光地ペトラで、“茶道”を考えていた(その3) 中東旅行屈指の人気観光地ペトラで、“茶道”を考えていた(その3)

夢を破るようですが、注意事項も

と、感動尽くしでペトラのことを書いてきましたが、現実問題としてはそんなにロマンチックなことばかりではありません。まず法外ともいえる入場料の高さ!2013年現在、一日券で50ヨルダンディナール、約6500円です(二日券、三日券というものも販売されています)。そしてガイドやラクダや馬車などの客引きはきわめて強引です。そしてこれは女性向けの注意ですが、ラクダ引きの男性はよくいえばフレンドリー、悪くいえばちょっと下ネタが過剰な人がいるかもしれません。気にしなければいいだけですが、延々とその手のトークに付き合わされるのはちょっと疲れました。

油断しないで、感動を持ち帰りましょう!

ガイドがいた方が遺跡を詳しく知ることができますが、見学のあとで、結託している土産物屋に連れて行かれることもあります。私も、親切にしてくれたと思っていたガイドが、最後に「友人の店に行って買ってやってくれ」と言うので行ってみたところ、ガラス玉のネックレスを「これはルビーだよ」と言ってふっかけてきて、不愉快な思いをしました。そして夏場の観光は酷暑との戦いにもなりますから、対策を万全に。暑さは体力の消耗だけでなく、正常な判断力も損なっていきます。たとえば、交渉時に言い値を飲んでしまったりしがちです。言い知れぬ感動が待つペトラ。嫌な思いをしないように注意して、よい思い出にしましょう!