どこか日本と似ている独自の宗教観

占い好きは多くいらっしゃると思います。筆者も、あそこの占いはよく当たるよと聞くと真っ先に行きたくなる方で、海外で評判の占い師に見てもらうこともしばしばです。今回、バルト三国のひとつ、ラトビアの首都リガで思いもよらない珍しい占い体験をしました。なんと、民族衣装の帯の柄の中から、自分に今一番ふさわしい守り神を探して成すべきことを知る、というものです。ラトビアでは「守り神決めの儀」と言われています。バルト三国のエストニア、ラトビア、リトアニアでは今でこそキリスト教(プロテスタント、カトリック、ロシア正教など)が信仰されていますが、キリスト教が入る以前は自然信仰(アミニズム)が盛んでした。とくにラトビアでは、太陽神サウレを中心とした自然&先祖崇拝が基本の「ラトビア神道」が今でも脈々と根付いています。

ラトビアの祭事では歌や踊り、民族衣装は欠かせません ラトビアの祭事では歌や踊り、民族衣装は欠かせません

筆者が選んだ文様の意味は?

「守り神決めの儀」は3人一組で行います。まず立会人2人が民族衣装の帯(神事に用いられるリエルワールデ帯)の両端を持ちます。本人は目を閉じてその帯に手をかざしながら、帯の端から歩いていきます。手にふわっと温かいものを感じた文様が、その人の守り神というわけです。帯には、太陽、星、雷、蛇など自然から図案化された神々が繰り返し施されています。ラトビア神道の主な神様は16。太陽神は永遠の命の象徴で、光と温もりを与え家族を見守る神。雷神は厄除けの役割をもちパワーを与えてくれます。神蛇は地母神の使いで、先祖の知恵を授けてくれるなど、それぞれ神力も違っています。一度で帯から「温もり」を感じることができない場合は、感じるまで何度でもトライできます。ちなみに筆者の文様は、新しい太陽年の始まりを表し家を守る神の「井桁(いげた)」でした。頭屋(神事を行う人)はそれを見てこう言いました。「あなたはこれから、一つの仕事のみならず色々やるべき仕事が天から降り注ぐように舞い込みます。その準備をしておくとよいでしょう」。なんと幸せな予言! 確かに身に覚えはありました。

リエルワールデ帯にはさまざまな神様が図式化されて織り込まれています リエルワールデ帯にはさまざまな神様が図式化されて織り込まれています

自分の環境が変われば、守り神が変わることも

自分の守り神が分かったら、その文様が入った何かを身に付けておくといいといわれています。筆者は素直に従い、井桁のペンダントヘッドを購入しました。また、他の神様の神力が欲しい時は、その文様が入った何かを持つと良いそうです。身近なものだと、ミトンにも多くの神様の文様が編みこまれています。1つの神の文様はいろいろとアレンジされていて、太陽神だけでも15くらいのデザインがあります。守り神は、自分の環境が変わればまた変化することもあるそうなので、何か大きな変化があった時には、またリガで見てもらおうと思っています。

ハンドクラフトの聖地、ラトビアのニットにも神々や自然のアイテムが編みこまれています ハンドクラフトの聖地、ラトビアのニットにも神々や自然のアイテムが編みこまれています

ラトビア国民がとても楽しみにしている夏至祭と冬至祭

ラトビア人がとても楽しみにしている行事があります。それは夏至祭と冬至祭。6月23日と24日の「夏至祭」は、自然の力が最高潮に達するといわれる夏至の時期に心身を清め、五穀豊穣を祈るお祭りです。日没後には焚火をし、火を飛び越えて健康を祈願したり、歌ったり踊ったりしながら日の出を待ち拝みます。一方、「冬至祭」は太陽の弱まりを助けようとするお祭りです。人々は集団になって仮面をかぶり、カシワの丸太を引きずって歌いながら町中を歩きます。最後は広場の中央で丸太を焼き、厄を払い太陽の復活を祈ります。これ以外にも、初秋には日本のお盆のような「墓祭り」など様々なお祭りがあります。祭事や習慣、伝承のひとつひとつが、神聖でロマンにあふれるラトビアのスピリチュアル世界。まだ見ぬ不思議な国ラトビアへ出掛けてみませんか?
※ラトビアのリガで「守り決めの儀(日本語)」を希望したい方は、ラトビア神道頭屋( www.ugis.info)で申し込めます。

冬至祭でかぶるお面。牛は多産と豊饒、馬は神の贈り物、熊は春を導いてくれるなど、それぞれに意味が込められています 冬至祭でかぶるお面。牛は多産と豊饒、馬は神の贈り物、熊は春を導いてくれるなど、それぞれに意味が込められています