リトアニアの歴史を感じさせる絶景がある場所

リトアニアにある「十字架の丘」をご存知ですか。ラトビアとの国境近くの町シャウレイから10kmほど北へ向かったところに、十字架で埋め尽くされた丘のことです。始まった正確の年代ははっきりしていませんが、ロシア政権に抵抗し亡くなった遺族がここに十字架を置いたのが始まりだといいます。時代がソ連支配下に移ってからも、犠牲者の弔いで十字架が増えていきました。自由、平和、信仰など、さまざまな思いで持ち込まれ、何度も除去されましたが、その度ごとに誰かが再び持ってきて、十字架による丘を作り上げていったのです。

リトアニアの世界遺産「十字架の丘」。行ってみると、本当にすごかった!(前編) リトアニアの世界遺産「十字架の丘」。行ってみると、本当にすごかった!(前編)

10万個を超える、無数の十字架群

私が訪れたのは今年の4月のこと。歩いて丘へと近づいていくと、十字架に覆われている丘の全貌が少しずつ見えてきました。ぼんやりとした姿のときは、あまり感動が沸かなかったのですが、目の前まで来るとその姿に衝撃を受けました。見上げる高さまで立てられた磔刑のキリスト像、近づいて詳細まで見ると小さな十字架も数え切れないほど。小さいサイズの十字架は、大きな十字架に掛けてあったりもします。十字架には願いや名前が書き込まれていたり、写真などが付いているのもありました。見渡す限りとは、このことです。丘を囲んでずっうっと十字架が立てられている姿は圧巻。

2008年には、無形文化遺産に登録

私が見学に訪れたとき、ある場面に遭遇しました。迷彩柄の格好をした男性3人が、必死になって地面を掘っているので、何事かと観察してみると。今まさに、これから十字架を掲げようとしていたのです。3人でやっと持ち上がるほどの大きいサイズの十字架が、彼らの横に置かれ、何度か穴の深さが十分かと調べるために持ち上げていました。今日もまた一つ増える、十字架。この遺産が、現在も変化し続けている姿でもあることがわかります。ローマ法王も訪れたという、この丘は2008年には世界無形文化遺産に登録されました。

十字架を置いていくこともできます

私たちもこの丘に、十字架を置いていくことができます。もちろん、現在持っている十字架を持参していってもいいですが、持っていない人は土産物屋で購入することも可能です。バスターミナルから歩いてくると、丘の手前に観光案内所があり、その脇に数軒の土産物屋が並んでいます。この丘に掛けるようの木製の十字架が、サイズ様々に売られていました。丘には、まるで神社にかける絵馬のように、「家内安全」と願掛けが書かれた十字架も見かけました。あなたも、ここに祈りや願いをかけて、十字架を掛けていきませんか。(後編につづく)