ただ通り過ぎるだけではもったいない世界遺産の町

ルクセンブルクを旅行先に選ぶ人は多くはないかもしれません。銀行マンや商社マンくらいかもしれませんね。なにしろ世界で7位、ヨーロッパで3位の金融センターなのですから。220もの銀行があると言われています。日本からも金融業を中心に進出しているのです。しかし普通の旅行者のみなさんも、フランスやベルギー、オランダからドイツに向かう時、このルクセンブルクを頭に入れてもいいかもしれませんよ。なにしろ秋は、西ヨーロッパの紅葉の名所の一つに数えられているからです。アルデンヌ高原に位置し、山がちな景観は日本に少し似ています。山の持つ独特の静けさがいいですね。世界遺産に登録されたルクセンブルクの町は、まるで難攻不落であるかのように自然の要害に守られ、小高い山の上にあります。下のほうには、アルゼット川とペトリュッス川が流れています。

紅葉を見に、西ヨーロッパの真ん中ルクセンブルクへ 紅葉を見に、西ヨーロッパの真ん中ルクセンブルクへ

立体的な町の紅葉は、西ヨーロッパではめずらしいかも

小高い山と渓谷の下を流れる立体的な町は、その途中で色づいた木々が美しく、アドルフ橋を望む絶景は、恰好の写真ポイントです。川近くの公園を散策しても、赤や黄色、オレンジ色に色づいた木々をカメラに収めたくなってしまいます。ルクセンブルクへは、パリ東駅からなら2〜3時間、30分に1本の割合で結んでいます。ブリュッセルからなら3時間、1時間に1本以上あります。ドイツのフランクフルトへは1日7本、4時間程度かかります。ユーレイルパスを使えば便利です。ルクセンブルク駅前は、こぢんまりとした都会といった印象です。銀行や大企業の建物が並んでいます。さすがGDP世界一の国だなと、理由もなく感嘆してしまいます。右手に向かって歩いていくと、10分ほどでアドルフ橋に到着します。紅葉の美しいペトリュッス渓谷を眺めつつ、どこからこの橋の写真を取ったらベストか、行き先を考えておきましょう。

世界遺産の旧市街が結婚式場?

橋を渡ればほどなく旧市街です。近世に建てられた重厚な石造りの建物が並んでいます。大公国らしく品のよさがうかがえます。尖塔の建つノートルダム寺院の先が憲法広場で、ここからまた眼下にペトリュッス渓谷が見下せます。町の中にこんな風に立体的に紅葉スポットが点在するのは、ルクセンブルクならではでしょう。そうそう、2012年にはギョーム皇太子がノートルダム寺院で結婚式を挙げられ、町の中心地がお祝いする人々で埋め尽くされた模様が、映像で世界に配信されました。広くない旧市街全体が結婚式場のようでした。ボックの砲台まで行けば、主な観光は終了。あとは渓谷に降りるなり、カフェやレストランで過ごすなり。旧市街は車の通りもほとんどないので、ゆっくりできます。そして食事もスイーツも、チョコレートもおいしいのでした。お土産は「ビレロイ&ボッホ」の陶器が有名で、お店もあります。