モダンで新しい建物が並ぶ首都スコピエ

スコピエはマケドニア共和国の首都です。バルカン半島の山間部にある小さな国ですが、スコピエはモダンな建物が数多く建つ都会で、ロンドンにあるような2階建てのバスが走っていたり、パリにあるような凱旋門が建っていたりします。スコピエの建物が新しいのは、1963年に大地震があり、古い建物のほとんどが壊れてしまったからだそうですが、新しい都市を建設するにあたって、その都市計画を担当したのが、日本の建築家、丹下健三氏。意外にも日本とは縁のある都市だったのですね。その新しい都市で、とにかく目立っているのは、町のあちこちに立っている銅像です。大きなものは15mもありますが、いったいスコピエにはなぜ多くの銅像が立っているのでしょうか。

銅像の名所、マケドニアの首都スコピエ 銅像の名所、マケドニアの首都スコピエ

マケドニアという国名が大問題

かつてユーゴスラビアだったマケドニア共和国は1991年に独立したばかりの新しい国です。独立する際に、このマケドニアという国名が大問題になりました。というのは、マケドニアは古くからあるこの一帯の地域名で、現在のマケドニア共和国の領土よりずっと広く、ギリシャやブルガリアなどの一部まで含まれるのです。だからマケドニアという名前を国の名前にするのは、やがてこっちまで自分の国の領土だと主張するに違いないとギリシャが大反対したのです。マケドニア共和国は、かつてアレキサンダー大王が君臨した古代マケドニア王国の子孫だからこの国名にしたと主張しましたが、それも無理のある主張で、ギリシャは受け入れませんでした。それで国連や日本の外務省もマケドニア共和国ではなく、「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」という暫定的な国名を使用しています。

古代マケドニアのアレクサンダー大王が先祖?

そのような事情から、マケドニアは自分たちが古代マケドニアの子孫であるということを強調したいのでしょう。スコピエに立っている銅像の多くは古代マケドニアにちなむものばかりです。街の中央広場にある巨大な騎馬像はアレクサンダー大王です。ワルキューレの音楽が鳴り響くなか、騎馬像のまわりで噴水が上る仕掛けになっています。旧市街へ足を向けると、アレクサンダー大王の父、フィリポス2世の立像も立っています。その他、古代マケドニアの衣装をまとった銅像が橋の欄干に並んでいたり、どこを見ても銅像ばかり。街の人は、古代マケドニアのテーマパークだねと笑っていましたが、新しい国は自分たちの歴史を追い求めたいものなのかもしれませんね。