暇だなと思ったら、さあ出発!

キシナウという地名をご存知ですか? 東欧の小さな国、モルドバの首都です。特別派手な名所があるわけでもなく、中心部は1日あれば歩けてしまいます。旅人の中には「ひと通り見たし暇だな。まあのんびりするか」という人も多いかもしれません。泊まっていたホステルにも、1日中ゴロゴロ寝ている人がたくさんいましたよ。そんなキシナウに7泊もしていた私は、ある日、「旧オルヘイ」という観光地に行ってみることにしました。キシナウから北東に60kmほどのところにあり、中世の時代に断崖に掘られた洞窟修道院がある場所です。ソビエト時代には閉鎖を余儀なくされたものの、近年は修道士が戻り、再び祈りをささげているとか。周辺の風景も美しいと聞き、ひとりで心細かったものの思いきって出かけました。

キシナウの町の中心、“勝利の門”にはモルドバ国旗がはためく キシナウの町の中心、“勝利の門”にはモルドバ国旗がはためく

まずは中央バスターミナルへ向かおう

「バスは中央バスターミナルから出ている。ブトゥチェニ(Butuceni)行きに乗れ」とホステルのオーナーから聞いていました。時刻に関しては不明なので、とにかくバスターミナルに向かいました。キシナウには「北」「南」「中央」と3つのバスターミナルがありますが、街なかにある中央バスターミナル(Gara Centrala Chisinau)です。午前11時半ごろに着きました。建物内の切符売り場でチケットが買えるのかと思っていたのですが、窓口で訊いてみると外を指さしてあっちだと言います。そこはミニバスが何台も停まっている場所でした。バスの関係者らしき男性に訊くと、乗るべきバスを教えてくれ、次の出発は13:15だと時間を書いてくれました。

バスターミナル付近は大きな市場になっていて、とてもにぎやか バスターミナル付近は大きな市場になっていて、とてもにぎやか

エアコンなし、満員のバスに乗って出発

時間をつぶし、出発30分前にミニバスの場所に戻りました。バスのフロントに掲げてある行先の看板にはButuceniとは書いてありませんでしたが、運転手に「Butuceni?」と聞いたら、うなずいて「さあ乗りな」というしぐさをしたので、乗り込みました。Butuceniは終点ではなく、通り道にあるようですね。切符は持っていませんが、お金はまだ払わなくていいようです。バスは次第に満員になり、定刻に出発しました。真夏の暑さなのに冷房が効いていないので、ちょっと苦しかったです。

1時間で到着。降りたのは自分ひとり

道中、乗客が少しずつ降りていき、1時間ぐらいで数人になりました。自分で主張しないと通りすぎてしまうかもと、まわりの乗客に「まだButuceniじゃないですよね?」とアピールするも、彼らもどんどん降りていきます。不安になったころ、残っていた女性が窓の外を指さして「あそこがButuceni」と教えてくれました。降りたのは私ひとりでした。14時半ごろに到着。料金は降りるときに運転手に支払い、25レイ(約160円)でした。ちなみに旧オルヘイは地名で、別に新たなオルヘイという場所があるので、それに対して「旧」と呼ばれているそうです。Butuceniは、村の名前です。(その2へつづく)