村のランドマークは小さな売店

「キシナウから、日帰りのプチ冒険。旧オルヘイに行ってみよう(その1)」からのつづきです。キシナウからのバスを降りたところは、静まり返った田舎の村でした。人もほとんど歩いていません。すぐそばに小さな売店がありました。バスから降りたばかりの私を見ると、お店の女性が親切に「帰りのバスは16時10分ですよ」と教えてくれました。そこがバス停となっているのですね。それから身振り手振りで、「こっちに行くと修道院で、こっちに行くと何々です」とも教えてくれました。しかしそれはあとからわかったことで、それが聞き取れなかった私は、観光の目玉である修道院とは別の方向へ歩きだしました。

観光地のはずなのに、行きかう人も少ない静かな村 観光地のはずなのに、行きかう人も少ない静かな村

最初に坂道を上っていくべきだった

民家がポツポツあるものの、取り立てて何もない田舎の村をしばらくウロウロしました。いま思い出せば、それはそれで風情があったのですが、ここに来た目的を忘れていましたね。「見どころってなんだっけ?」と思いながら、さきほどの売店まで戻ってきました。そしてなんとなく目の前の坂を上っていくと、前方に雰囲気のある十字架が見えてきました。観光客らしき人も数人いるではありませんか。ここが来るべきところだったのです。売店の女性はさっき「修道院はこちらよ」と言ってくれていたのだと、やっと気づきました。坂を上っていくにつれ、あたりの雄大な景色が見下ろせ、「モルドバの田舎にいる」という喜びがこみあげてきました。

崖の上、ギリギリのふちに立っている十字架 崖の上、ギリギリのふちに立っている十字架

とりあえず前に向かって歩きつづける

十字架はフォルムに味があり、とても絵になります。崖のふちギリギリに立てられ、太陽の日差しや雨風にさらされてきたであろうその姿は、信仰への強い思いを感じさせるようでした。十字架の場所からさらに進んでいくと、その先に教会がありました。比較的新しい感じがする立派な教会です。丘の上、歩きにくい道の先にこのような教会があるのも興味深いですね。中を見学したあと、「さて、昔の洞窟修道院はどこに?」と思い、たまたまそこにいた方に訊いてみました。すると歩いて案内してくださいました。

見学した教会のエントランス 見学した教会のエントランス

洞窟修道院は通りすぎていた!

修道院は、いま上ってきた坂道の途中にありました。通りすぎていたのです。観光客がたくさんいればそれが目印になったと思うのですが、なにせその日は人もまばらで閑散としていました。そんなときは、どこを訪問すべきかですらわかりにくいのですね。いつもまわりが見えていない鈍い私にはなおさらです。案内してもらわなかったら、そこが目的の場所とは思わず、近寄りもしないで帰っていたかもしれません。いや、いくつも建物があるわけではないので、普通の人なら気づくのかもしれませんが…。入口も見つけにくく、逆側からは見えなかったのです。(その3へつづく)

中央に見える建物が洞窟修道院です 中央に見える建物が洞窟修道院です