リラックスしてリフレッシュ! 旅で感じる世界の現実

20代の前半から海外旅行ばかりしている僕は、知らない人から、よくこんな質問をされました。「自分探しの旅ですか?」と。こんな質問をされるかたは、ぜひもっとたくさん海外旅行に行ってもらいたいと思います。目の前にある、面白い世界の現実を海外旅行で感じてもらいたいのです。自分が、無職でうろうろしているため「自分探し」の疑問をもたれるのかな?と思います。ただ、人生にはもう少しゆとりがあってもいいのではないでしょうか。欧米人は、長期休暇をとったり、あるいは転職する際、古い仕事と新しい仕事の間のインターバルに旅をする人もいます。リラックスして、リフレッシュするのです。そして世界の現実を肌で感じてみましょう。

サハラ砂漠にて サハラ砂漠にて

日本の価値観がすべてではないことを知る

そうして海外に旅に出ると、日本で自分が感じていた価値観がすべてではないと思うことが多々あります。サハラ砂漠に行った時のこと、僕は添乗員として、12名のお客様を連れていました。ランドクルーザー3台で、サハラ南端のマリ共和国を700キロ以上にわたって横断するツアーです。水や食料、燃料も積み込んでマリの首都バマコを出発しました。やがてあたりは砂漠一色です。2日目にとある村に立ち寄りました。日干し煉瓦の家々が密集し、かなり貧しい村だとわかります。そこで僕が作ったスパゲティを村人たちと食べました。ただ全員には行き渡りません。お客様は、食事もそこそこに持ってきた飴などを、集まった100人ほどの村人全員に渡します。みんなうれしそうに頬を揺らして飴をなめます。彼らの笑顔に、僕たちも、「ここにも幸せはあるのだ」と幸せな気分になりました。人はどこでも誰でも、幸せな気持ちを持っているのですね。

圧巻だった深夜の隊商

なぜ砂漠の中でも人々は暮らすのか。車が砂に埋もれて、なかなか前に進んでいかないツアーの中で、砂埃にまみれながら、僕だけでなく、お客様も考えていたことでしょう。しかし真夜中、満天の星が降る中、昼間と違って寒くなったサハラは、神々しいばかりに美しくもありました。そんな時、はるか彼方からラクダの隊商が来るのが見えました。ラクダは両側に石のような岩塩を運んでいます。50頭は続く隊商の前と後ろに、ブルーのターバンを頭に巻いた遊牧民のトゥアレグ族の男がいます。「カッコいい!」。お客様たちは写真をバチバチ。すると男がこう言いました。「ギブミーマネー」。モデル代をよこせというのです。それでもお客様は「まるで映画のようだわ」と感激しきりです。そう、世界はステキで、心を豊かにさせてくれるシーンにあふれているのです。海外旅行の楽しさは、自分の価値観とは別の価値観を見せつけられることにあるのかもしれません。