- 大塚ばつ丸
- 大阪在住。欧米旅行も可能な日数が取れる夏休み、冬休みなどの時期は別として、一日の有給休暇を取るだけで行ける場所として回数を重ねるようになったのが韓国。趣味の旅行、映画、写真が結びついて、ロケ地を訪ねるホームページ「ばつ丸のロケ地を旅する」を始める。
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ハーレム駅
チョン・ジヒョン、チョン・ウソン、イ・ソンジェによる韓国映画「デイジー」は監督が香港のアンドリュー・ラウ、音楽担当が日本の梅林茂、そして映画は全編オランダ・ロケで作られている。厳密にいうとオランダ南部の田園地帯で撮られた部分もあるが、主なロケ地は首都アムステルダムと地方都市ハーレム。今回はハーレムで撮影された部分をご紹介しよう。
グローテ・マルクト
アメリカの地名にはヨーロッパ起源のものが多い。ニューヨークが昔、ニューアムステルダムと呼ばれていたように、ニューヨークのハーレムもこの町の名前から来ている。
ハーレムはアムステルダムから電車でわずか15分。さらにその駅から徒歩10分のところにチョン・ジヒョンが似顔絵かきのアルバイトをしている場所、グローテ・マルクト(マルクト広場)がある。彼女の前にオランダのインター・ポール(国際刑事警察機構)に出向中の刑事イ・ソンジェと謎の男チョン・ウソンが現われて、映画は動き始める。広場はちょうどサッカー・グラウンドくらいの広さで、旧市庁舎をはじめ教会、旧食肉市場、映画館、抽象的な野外彫刻、偉人の銅像など広場を取り囲むもの全てが映画に登場し、ここはまさにチョン・ジヒョンのデイジー・ワールド。いくつかあるカフェの前にはいすとテーブルがたくさん並べられていて、お茶を飲みながら広場の雰囲気を楽しむ時間を持てる。
ところが、ここグローテ・マルクトは広場が一面の花で覆い尽くされるフラワー・フェスティバルや移動遊園地の会場になることもあり、それはそれで旅行者にとっては楽しいイベントだが、この期間に限って映画の雰囲気は全く失われてしまう。
骨董品店
チョン・ウソンに黒いチューリップが届けられると、それは闇の組織からの暗殺指令。ターゲットとなる人物のデータはハーレム駅のコインロッカーに隠されているという設定だ。その重厚な石造りのハーレム駅とマルクト広場の間にふたつの重要なロケ地がある。
ひとつはチョン・ジヒョンの祖父が経営していて、彼女が店の手伝いをしながらいっしょに住んでいる骨董品店。ここは実際に営業している店で、イ・ソンジェが訪ねてくるシーンで映画に登場するフォトフレームはお土産に最適。またチョン・ウソンがこっそりとデイジーの鉢を置く店の入り口も映画そのままに存在する。
カフェ1900
もう一カ所はチョン・ジヒョンに思いをよせるチョン・ウソンが彼女を連れて行く「カフェ1900」。ここは名前の通り1900年創業の歴史を誇る古いカフェ。夕方になるとビールを一杯というお客さんで店内はいっぱいになる。店内の作りや壁の模様はヨーロッパの伝統を感じさせてくれる雰囲気にあふれている。
映画というきっかけがなければ、一生旅行することはなかったはずのオランダの地方都市ハーレム。実際に訪ねてみると映画のロケ地というだけにとどまらない魅力を持った街だった。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/10/26)
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