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海外現地発ガイド通信

オランダ人の勇気に学ぶ。コリー・テン・ボーム博物館


掲載日:2009/03/17 テーマ:美術館・博物館 行き先: オランダ / アムステルダム

タグ: ためになる 博物館 歴史


オランダ各地にあった隠れ家

一階は現在も時計店の博物館 一階は現在も時計店の博物館

アムステルダムのアンネ・フランクハウスは、アンネ一家の隠れ家として世界的に有名です。実はオランダにはアンネの家だけではなく、ユダヤ人やオランダ人のレジスタンスがナチスの追跡から身を隠すための隠れ家が各所にありました。
1940年、オランダは中立を表明していたにも関わらずナチス・ドイツに占領されてしまいます。皆さんが歴史や映画でご存知の通り、ナチスによるユダヤ人迫害はオランダでも激化します。
ナチス占領下のオランダでは、抵抗するための地下組織がオランダ人有志によって支えられていました。アンネ・フランク一家をかくまったオランダ人達のような人々が各地にいて、陰で支えあっていたのです。オランダ人達がかくまったのはユダヤ人だけではなく、オランダ人レジスタンスや強制労働を拒否した学生達も含まれました。占領下のオランダでは、ドイツ国内へ移されナチスの命令で強制労働に従事しなければならなかったオランダ人青年達が数多くいたのです。

敬虔なクリスチャン一家の貢献

時計店舗の後ろにもう一つの建物が直結している 時計店舗の後ろにもう一つの建物が直結している

現在博物館となっているコリー・テン・ボームの家も、そのような隠れ家のうちの一つです。
テン・ボーム家はハーレムで時計店を営む敬虔なクリスチャンの一家で、毎週月曜日には家族や関係者が集まり聖書の勉強会を開いていました。コリーはテンボーム家の末っ子として1892年に生まれました。
1940年オランダがナチス・ドイツに占領され、やがてゲシュタポによるユダヤ人狩りがオランダ国内でも始まります。テン・ボーム一家は迫害されるユダヤ人達の姿に心を痛め、ユダヤ人や地下組織を助ける側に就きます。最上階のコリーの寝室の裏に非常時の隠れ場所を作り、キャビネットの裏から出入りできる仕掛けを作りました。そして多くの人々をかくまい助けたのです

たった一人生き残ったコリー

コリーの寝室の裏に設けられた隠れ場所。左手下のキャビネットから出入りする コリーの寝室の裏に設けられた隠れ場所。左手下のキャビネットから出入りする

しかし1944年密告により、ゲシュタポがテン・ボーム家に乗り込みます。テン・ボーム一家は全員逮捕され、強制収容所へと送られてしまうのです。
ナチス・ドイツ占領下では、ユダヤ人や地下組織をかくまった人達も犯罪者の烙印を押され、強制収容所で過酷な労働を課せられるのです。
コリーの父キャスパーは逮捕された10日後に死亡。兄や甥、そして姉も強制収容所で死亡し、戦後生きのびることが出来たのは家族でコリーたった一人でした。
戦後コリーは執筆活動と講演活動に身を捧げ、戦争の悲惨さ、そして逆境の中でも人間性を見失わないことの大切さを世界中で説きました。そして1983年、91歳でこの世を去ります。

当時の息吹を今に伝える博物館

博物館入り口の扉 博物館入り口の扉

コリー・テン・ボーム博物館では、家族の食卓や聖書の勉強会を開いた部屋、そして隠れ場所のあるコリーの寝室をガイドツアーで見学することが出来、当時の息吹を現在に伝えています。
ユダヤ人やレジスタンスをかくまっている事が見つかれば、自分も強制収容所送りになった時代。それでも負の権力に屈せず人として正しい事を行う人々がいた。
ヨーロッパのうわべだけのスタイルを真似るのは簡単です。でもヨーロッパのこのような精神文化にも出来れば触れていただきたいのです。
人として何が本当に大切なのか。そんなことを考える為、是非とも訪れていただきたい場所です。

【関連情報】

■コリー・テン・ボーム博物館(Corrie ten Boomhuis Museum)
所在地:Barteljorisstraat 19 2011 RA Haarlem
FAX:+31(0)23 5268 481
E-Mail:info@corrietenboom.com
開館時間:4月から10月 火曜から土曜:10:00から15:30、11月から3月 火曜から土曜:11:00から14:30
休館日:日曜、月曜、祝祭日
入館料:無料だが、是非とも心付けを寄付してほしい。
行きかた:ハーレム駅から徒歩約10分。
ハーレムへの行きかた:アムステルダムから急行で約10分。

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2009/03/17)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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