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オランダの国民酒「イェネーファ」通になるための基本情報


上質のモルトワインから蒸溜されるイェネーファ

スキーダムにある国立イェネーファ博物館では2018年中旬までイェネーファのラベル展を開催中。コレクションは10万点にのぼる。Photo: Nationaal Jenevermuseum スキーダムにある国立イェネーファ博物館では2018年中旬までイェネーファのラベル展を開催中。コレクションは10万点にのぼる。Photo: Nationaal Jenevermuseum

ジンの起源となったオランダのお酒、イェネーファ(jenever)。17世紀に熱病の薬として発明されてから350年間、国民酒としてオランダの人々に愛飲されてきました。大麦麦芽やライ麦を発酵させた醪を2、3回蒸溜してモルトワインを造り、イェネーファ・ベッセン(杜松の実)を加えて再溜します。イェネーファ・ベッセンの爽やかなフレーバーが特徴で、ジンよりも麦芽香が強くコクのある味わいです。EUの原産地呼称統制(AOCs)により、オランダ、ベルギーの二カ国と、フランス、ドイツの一部産地で製造されたものでなければイェネーファの名称を使うことができません。前回のイェネーファ紹介の記事に続いて、イェネーファ通になるための基本情報をまとめました。

「ヤング」なイェネーファとは?

ヤング・イェネーファの味はジンよりもウォッカに近い。AOCsの基準では、ヤング・イェネーファにはモルトワインが15%以下、1リットルあたり10g以下の砂糖が含まれる。アルコール度数は35%以上で無色透明。 ヤング・イェネーファの味はジンよりもウォッカに近い。AOCsの基準では、ヤング・イェネーファにはモルトワインが15%以下、1リットルあたり10g以下の砂糖が含まれる。アルコール度数は35%以上で無色透明。

イェネーファは製法により、ヤング(jonge)、オールド(oude)、コーレンワイン(korenwijn)に分類されます。比較的新しく「ヤング」な製法で造られるのがヤング・イェネーファで、19 世紀に考案された連続式蒸溜器が用いられます。醪を連続的に蒸溜することで不純物が除かれ、まろやかな仕上がりになります。第二次世界大戦中に大麦やライ麦が不足し、テンサイの糖蜜が代替原料として使われるようになると、イェネーファに含まれるモルトの量は激減しました。こうして蒸溜法、原料ともに大きく変化したヤング・イェネーファは、安価で手に入ることもあり、戦後のオランダに定着しました。イェネーファ・ベッセンの風味が苦手な人には、すっきりとした飲み口のヤング・イェネーファがお勧めです。

黄金色のオールド・イェネーファ

Zuidam社産イェネーファの熟成年数による違い。左から、ヤング(熟成なし)/オールド1年/5年/12年。オールド・イェネーファやコーレンワインには20〜30年以上熟成したものもある。 Zuidam社産イェネーファの熟成年数による違い。左から、ヤング(熟成なし)/オールド1年/5年/12年。オールド・イェネーファやコーレンワインには20〜30年以上熟成したものもある。

オールド・イェネーファは17世紀の伝統的な製法で造られます。大麦麦芽、ライ麦、トウモロコシなどの原料を混ぜて発酵させ、三回の蒸溜でアルコール度数を15%、30%、60%と徐々に上げてモルトワインを造り、イェネーファ・ベッセンを加えて再溜します。醪を蒸溜缶で熱し、発生した蒸気を冷却してアルコールを取りだす簡便な単式蒸溜器を使うため、オールド・イェネーファには発酵で生じた風味が残ります。原料にも規定があり、モルトワインを最低でも15%含み、1リットルあたりの砂糖の量は20g以下でなくてはなりません。アルコール度数も35%以上と定められています。オーク樽で熟成させたものは淡い黄金色や茶色になり、穀物や香草の風味を堪能できます。ヤング・イェネーファが普及してからも、オールド・イェネーファの伝統は守り継がれてきました。

イェネーファの王様 コーレンワイン

コーレンワインの「コーレン」と、フラーン・イェネーファの「フラーン」はどちらも「穀物」の意味。モルトを贅沢に使ったモルトワイン・イェネーファと併せて、原料による味の違いを楽しみたい方におススメ。Photo: Oud Amsterdam コーレンワインの「コーレン」と、フラーン・イェネーファの「フラーン」はどちらも「穀物」の意味。モルトを贅沢に使ったモルトワイン・イェネーファと併せて、原料による味の違いを楽しみたい方におススメ。Photo: Oud Amsterdam

1970年代になるとイェネーファの商業的な生産に対して、伝統に沿った上質なイェネーファが見直されるようになりました。コーレンワインは昔ながらの製法で造られ、モルトワインを51〜70%含み、1リットルあたりの砂糖は20g以下、アルコール度数は38%以上、香料は天然のものを使います。オーク樽で最低でも数年間熟成され、ウイスキーのような美しい琥珀色になります。他のイェネーファには醸し出せない円熟した味わいがあり、ウッディーな香りも漂う逸品です。ほぼ100%のモルトワインから造れるモルトワイン・イェネーファ(moutwijnjenever)や、原料に糖蜜を使用せず穀物からのみ造られるフラーン・イェネーファ(graanjenever)も隠れた銘酒です。

チューリップグラスで「もっきり」

イェネーファとビールを一緒に飲むkopstoot。レモン・イェネーファ(citroenjenever)、ラズベリー・イェネーファ(bessenjenever)を使ったカクテルもある。Photo: Lowlander Beer イェネーファとビールを一緒に飲むkopstoot。レモン・イェネーファ(citroenjenever)、ラズベリー・イェネーファ(bessenjenever)を使ったカクテルもある。Photo: Lowlander Beer

イェネーファにはチューリップグラスと呼ばれる専用のグラスがあります。グラスの縁までたっぷり注がれたイェネーファの最初の一口は、手を使わずに、口を直接つけて飲むのがオランダ流です。ヤング・イェネーファはボトルごと冷凍庫でキンキンに冷やすと爽やかさが引き立ちます。オールド・イェネーファやコーレンワインは常温で芳醇な風味を楽しんでください。蒸溜所ごとの飲み比べもお勧めです。アムステルには『A. v. Wees』や『Wynand Fockink』など、蒸溜所が経営するテイスティングルームがあります。メニューにあるコップストート(kopstoot)は直訳すると「頭突き」で、イェネーファで熱くなった喉にラガービールを流し込むスタイルです。イェネーファをベースにしたカクテルも豊富です。

アムステルダムで訪れたい蒸溜所のテイスティングルーム

現存する蒸溜所として世界最古の歴史(1575年創業)を持つボルス社の蒸溜器  Photo:Lucas Bols 現存する蒸溜所として世界最古の歴史(1575年創業)を持つボルス社の蒸溜器 Photo:Lucas Bols

A. Van Wees
http://www.proeflokaalvanwees.nl
Herengracht 319

Wynand Fockink
http://wynand-fockink.nl
Pijlsteeg 31

In de Olofspoort
http://www.olofspoort.com
Nieuwebrugsteeg 13

Cafe Slijterij de Oosterling
http://www.cafeoosterling.nl
Utrechtstraat 140

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2017/09/25)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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