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海外現地発ガイド通信

アムステルダムの風景を彩る破風【後編】


掲載日:2019/02/24 テーマ:歴史 行き先: オランダ / アムステルダム

タグ: ためになる 街歩き 建築 史跡 美しい 歴史


装飾性の花開いたネック破風

【上】華やかに装飾されたネック破風【下】クロムハウトの家 【上】華やかに装飾されたネック破風【下】クロムハウトの家

【前編】の続きです。

「ネック破風 (halsgevel)」は、建物の水平ラインに対して垂直に立ち上がる「首(ネック)」を持ち、その両側を砂岩のモチーフで縁取る様式で、1638年から1770年頃に流行しました。頂に三角または半円形のペディメントを冠し、貝殻のモチーフや渦巻装飾など、ルイ14世様式の豪華な装飾がほどこされます。階段状破風と組み合わせ、より上方に伸ばした「高さのあるネック破風 (verhoogde halsgevels)」も登場しました。

ネック破風を持つ建物のほとんどがレンガ造りですが、ヘーレン運河沿いの『クロムハウトの家 (Cromhouthuis) 』は石造りの邸宅です。美術品収集家のクロムハウト家のために、1662年に古典主義様式で建てられました。現在は一般公開され、1975 年には『聖書博物館 (Bijbelsmuseum) 』もオープンしています。

◆クロムハウトの家 Cromhouthuis
住所:Herengracht 368, 1016 CH Amsterdam
アクセス:トラム2, 11, 12番Spui下車徒歩4分
https://www.cromhouthuis.nl
火-金 10:00-17:00/ 土日 11:00-17:00/月曜休
大人10ユーロ/ 学生7.5ユーロ/17歳以下無料

優美な曲線の釣鐘破風

カイザー運河561, 563番地。初期の簡素な釣鐘破風(右)とルイ15世様式の華美な釣鐘破風。 カイザー運河561, 563番地。初期の簡素な釣鐘破風(右)とルイ15世様式の華美な釣鐘破風。

ファサードの頂から緩やかな曲線を描く「釣鐘破風 (klokgevel) 」は、ネック破風から発展した様式です。教会の鐘のようなシルエットと優雅な装飾で、1660年から1790年頃に人気を博しました。頂にペディメントを載せるネック破風とは異なり、釣鐘破風は最上部までレンガが積まれます。

カイザー運河の一角では、シンプルな初期の釣鐘破風(563番地)と、ルイ15世様式の華麗な装飾をもつ釣鐘破風(561番地)を比較できます。アムステルダムに唯一現存する「高さのある釣鐘破風 (verhoogde klokgevel) 」は、ブラウブルグワル通り22番地にあります。直線と曲線を併せ持ち、ネック破風から釣鐘破風への変遷をうかがえるユニークなデザインです。

◆カイザー運河561, 563番地
住所:Keizersgracht 561-563, 1017 DR Amsterdam
アクセス:トラム2, 11, 12番Keizersgracht下車徒歩4分
外観のみ見学可

◆ブラウブルグワル通り22番地
住所:Blauwburgwal 22, 1015 AT Amsterdam
アクセス:トラム2, 11, 12, 13, 17番Nieuwezijds Kolk
下車徒歩3分、外観のみ見学可

17世紀の豪奢なフレーム破風

『De Hoop』の豪華なフレーム破風 Photo: Stadsarchief 『De Hoop』の豪華なフレーム破風 Photo: Stadsarchief

「フレーム破風 (lijstgevel)」はその底部が、壁に渡した水平材で仕切られる様式です。1660年代から存在し、主に片蓋柱(壁面から浮き出す装飾用の柱)と共に、間口の広い大邸宅に用いられてきました。

1619年建造の『De Hoop』のフレーム破風は、独創的な四分円のペディメントを持ち、その中央に「Hoop(希望)」を象徴する女性像が立っています。かつてレンブラントが暮らし、現在は博物館になっている『レンブラントの家 (Museum Het Rembrandthuis) 』にも、三角形のペディメントを持つ、均整のとれたフレーム破風が遺されています。

◆De Hoop
住所:Keizersgracht 209, 1016 DT Amsterdam
アクセス:トラム13, 17番Westermarkt下車徒歩2分
外観のみ見学可

◆レンブラントの家 Museum Het Rembrandthuis
住所:Jodenbreestraat 4, 1011 NK Amsterdam
アクセス:トラム14番Waterlooplein下車徒歩3分
https://www.rembrandthuis.nl
10:00-18:00/ 定休無
大人13 ユーロ/ 17歳以下4ユーロ/ 6歳以下無料

大衆化した18、19世紀のフレーム破風

アムステルダムの住宅街。木造のフレームの上部に屋根裏部屋があります。 アムステルダムの住宅街。木造のフレームの上部に屋根裏部屋があります。

18世紀以降、間口の狭い家屋にも簡素なフレーム破風が造られ、水平材の上部には屋根裏部屋が設けられるようになりました。さらに経済が停滞した19世紀には、古くなった破風を取り替える際の、安価な改修工法としての需要も高まりました。

かつて、階段状破風やスパウト破風、ネック破風、釣鐘破風と多彩な様式を誇ったアムステルダムの建造物は、その多くが倹約的なフレーム破風に改築されています。現在もなお、フレーム破風が最も一般的な様式です。

アムステルダムを散策する際は、ぜひ破風の歴史を思い浮かべながら、それぞれの建物の表情を楽しんでみてください。

※観光施設の詳細やアクセス方法など掲載内容は2018年11月現在のものです。

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2019/02/24)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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