歴史的な趣を残す街ハーレム

オランダの中心都市アムステルダムから西に約20km、電車で15分ほどのところにある古都ハーレム。アムステルダムやロッテルダム、デン・ハーグなどのオランダの主要都市がかなり近代化されているのに比べ、このハーレムはレンガ作りの家屋や石畳の小道などが見られる、歴史的な街並みを色濃く残した観光地となっています。町を取り囲む川沿いの風景も美しく、「世界遺産の町」として人気のベルギーのブルージュやフランスのストラスブールにも負けない魅力を持っています。今回はそんな古都ハーレムのおすすめ観光スポットをご紹介します。

モーツァルトも弾いた聖バフォ教会のパイプオルガン モーツァルトも弾いた聖バフォ教会のパイプオルガン

ヘンデルやモーツァルトも弾いた聖バフォ教会のパイプオルガン

ハーレムの中心地はグローテマルクト(広場)で、ここに飲食店やショップが集まっています。そしてグローテマルクトの前にそびえる、ゴシック様式の大きな聖バフォ教会は必見のスポットです。この教会はパイプオルガンがとにかく豪華絢爛。普通なら教会の「脇役」として設置されているはずのパイプオルガンが、ここでは明らかに「主役」として、教会内部全体を支配するような存在感を醸し出しています。なんと教会内のイスもすべてパイプオルガンの方に向いています(通常は背後にパイプオルガンがあります)。1738年に5000本のパイプを用いて作られたこのオルガンは当時世界最大だったそうで、その時代の大音楽家であったヘンデルや少年時代のモーツァルトが弾いたことでも有名です。その後19世紀になってからもメンデルスゾーンやサン=サーンスなどの音楽家が訪れているそうです。音楽愛好家なら絶対に見ておくべきパイプオルガンのひとつと言えるでしょう。

オランダ黄金時代の画家、フランス・ハルスとロイスダール

オランダがもっとも栄えた、黄金時代と呼ばれる17世紀。この時代の画家は一般的にはフェルメールやレンブラントばかりが有名ですが、実は他にもたくさんの優れた画家がいて、そのうちのふたりがハーレムと深く関わっています。ひとりは人物画の巨匠フランス・ハルス。出身はアントワープですが、幼少時にハーレムへ移住し終生ここで過ごします。町には「フランス・ハルス美術館」もあり、彼の作品及び同時代の画家の作品が展示されています。ふたり目はハーレム出身の風景画の巨匠ヤコプ・ファン・ロイスダール。ハーレム郊外の美しい風景を描いた彼の絵画は後続の多くの風景画家たちに影響を与えます。ロイスダール以外にもこの時期にハーレムで活動した風景画家は多く、彼らは「ハーレム派」とも呼ばれます。後編では、そんなハーレム派も見ていたかもしれない郊外の自然についてご紹介します。(後編へ続く)