オランダ生まれのゴッホ

オランダのアムステルダムでは、たっぷりと絵画の世界に浸ってみたくなります。最初に紹介したいのは、誰でも知っているゴッホです。生涯にたった1枚しか絵が売れなかったのに、亡くなってから世界に名声を轟かせた不遇の画家です。狂気の画家とも呼ばれていますね。アムステルダムの国立ゴッホ美術館には、ゴッホの弟テオの遺族によって管理されていた作品が、一堂に集められています。ゴッホが生まれたのは、ベルギーのアントワープにほど近い町ズルテントです。彼は後にズルテントの北の町エッセンや、ハーグ、ニューネンで、時に娼婦と、時に父母と一緒に暮らしています。この時代の有名な作品が「馬鈴薯を食べる人々」です。この美術館に展示してあります。暗い画風で、イヤになるような貧しい農民の暮らしぶりが目に浮かぶようです。この頃のゴッホは、農民画家時代と呼ばれています。

ゴッホの作品「アルルの跳ね橋」に似ているアムステルダムの跳ね橋 ゴッホの作品「アルルの跳ね橋」に似ているアムステルダムの跳ね橋

国立ゴッホ美術館にて

ゴッホは世界的に人気がありますが、日本人ももちろん大好きな人が多く、ゴッホ美術館の楕円形の新館は、国際交流基金を通じて、日本の保険会社の支援で完成しています。建築家は黒川紀章です。ゴッホは、オランダを出てアントワープ、パリを経て、南仏に居を定めます。パリ時代には印象派の台頭や、日本の浮世画と出合って深い感銘を受けたのでしょう。パリ時代から色づかいが明るくなり、南仏アルルに行ってから、画風が一変してきます。黄色を主体に鮮やかな色遣いの、いかにもゴッホらしい作品が描かれていくようになるのです。これにはゴッホ自身が、南仏の空気に馴染んだことが大きかったにちがいありません。ゴッホは南仏を、日本の浮世絵を見るようだと語ったそうです。この美術館には歌川広重の浮世絵をゴッホが模写した「雨の橋」、あまりに有名な「ファン・ゴッホの寝室」、「ひまわり」などが展示してあります。

もうひとつのゴッホ美術館、クレラー・ミューラー美術館へ

国立ゴッホ美術館だけでは物足りなかった人は、クレラー・ミューラー美術館に行くことをおすすめします。アムステルダム中央駅からアペルドールン駅まで1時間ほど、110番のバスでデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園まで行きます。美しい林の中に美術館はあります。国立ゴッホ美術館に次ぐ世界第2のコレクション数です。経営していた会社が傾き、膨大なコレクションが散逸するのを防ぐために、クレラー・ミューラーが美術館を建てることを条件に、オランダ政府に寄贈したコレクションが展示してあるのです。本館に辿りつく林の中に、いかにも無造作に見えるように彫刻が置かれているのは、さすがです。箱根 彫刻の森美術館のモデルとなったそうですが、さすが本家は無造作度が上ですね。ゴッホの作品では、「夜のカフェテラス」、「アルルの跳ね橋」、「糸杉と星の見える道」など有名どころがあります。これらを観れば、十分納得できると思います。