アムステルダムを歩いてみよう

オランダのアムステルダムは、川や運河の美しい町です。元は湿地だった土地に堤防を築いて、風車で川の水を汲みあげ、干拓地を作り、水路を掘って水をコントロールすると同時に、その土で埋立地をこさえていったのです。13世紀から連綿と続けられてきました。まさにオランダは、神に与えられた土地ではなく、オランダ人が自ら創った土地なのでした。17世紀のオランダ黄金時代には、貿易でアムステルダムの町が急速に発達します。今でもそんな時代の建物が肩を寄せ合うようにひしめいています。間口が狭いのは節税のため、やや前のめりに倒れているのは、上部の滑車で荷物を上の階に持ち上げるためだそうです。軟弱な地盤に立っているため、左右に傾いた建物も見かけますね。しかしそれらがミニチュアのように愛らしく、町を歩いているだけで楽しくなります。

若者に人気のヨルダン地区 若者に人気のヨルダン地区

出発地点はアムステルダム中央駅

まずはアムステルダム中央駅から右折していきましょう。ハールレンメル通り周辺が安宿街です。カフェやレストランなども集まっています。プリセン運河まで出て、向こう側に渡ると落ち着いた風情の下町で、このあたりをヨルダン地区と呼びます。ゲストハウスやホテルもありますが、長期滞在者用のアパートが多く、留学生たちが自転車で行き交っています。アップダウンのまったくない町ですので、自転車ならスイスイどこへだって自由に行けます。意外と古風なガッチリとした自転車に乗っている人を多く見かけます。またこのあたり、ステキなカフェやレストランもあり、「アムステルダムでもっとも美しい」との評判です。ぶらぶらするのがいいですね。川面に映る建物の美しいこと。車がびゅんびゅん走る道がないこともうれしい限りです。近くには西教会とアンネ・フランクの家があります。アンネの気持ちに近づけるような気がしてきます。

窓がきれいなアムステルダム

暖かい季節なら、カフェのテラス席に陣取って、町行く人を眺めるのが楽しいですね。しかし冬になってもアムステルダムでは問題ありません。多くの家が採光と暖気を取り込むために大きな窓を設えているからです。窓がまるで額縁のようになり、移りゆく町の様子が瞬間ごとに切り取られるようでとても美しく見えるのです。そして夜、中央駅とダム広場の間にある飾り窓地区に足を延ばしてみましょう。大勢の観光客が、男女を問わず来ています。馬に乗った警官が治安に目を光らせており、危ない雰囲気はありません。大きな窓の上にピンク色の蛍光灯がついた建物が飾り窓。窓の向こうには下着姿の女性たちが、まるで私生活の一部を公開するかのように、客待ちしています。客が入れば、カーテンがサーッと引かれます。運河には怪しい光が映し出されます。夜の飾り窓地区、その美しさは、まるで絵画のようで格別です。