本家のハウステンボスがあるロイヤルシティ

オランダのアムステルダムは商業の中心地。対して列車で50分ほどのハーグは、国会議事堂があるなど政治の中心地です。2013年からは、ベアトリクス前女王から王位を禅譲されたアレクサンダー国王がお住まいで、ロイヤルシティの異名は継承されています。王がお住まいなのが「ハウステンボス」。「森の家」という意味です。日本の長崎のハウステンボスにも、ホンモノのハウステンボスを模した実物大の建物が建てられています。もちろんオランダ王室の許可を得てのことでした。日本の皇室とオランダの王室は仲がいいですから、そんなご関係も作用したかもしれません。そしてハウステンボスのルーツが長崎オランダ村で、そこにあったミニチュアタウンの元祖が、ハーグにあるマドゥローダムです。長崎オランダ村は閉園しましたが、元祖は今でも健在です。

陶器の町デルフトの市庁舎 陶器の町デルフトの市庁舎

フェルメールにうっとりしちゃう

ハウステンボスは、中央駅を出てすぐ北側に広がるハーグ森林公園の中にありますが、今回ご案内するのは、反対側の左手にあるビネンホフです。中世から近世に建てられた堂々たる建物が集まっています。国会議事堂などです。この一角にあるのがマウリッツハイス美術館。17世紀の建物で17世紀の絵画を観るという贅沢が待っています。僕にとっての何よりの目玉は、フェルメールの「青いターバンの少女」でした。水色に近い青がそこはかとなく美しく、また見返り美人そのもののポーズが、男心をくすぐります。別にこちらを見ているわけではないのに、画の中の少女に見られているような気がして、ドキッとしてしまうのです。この瞬間が何よりいいのです。「デルフトの眺望」は、人物画がほとんどのフェルメールにしては珍しい風景画です。縦横はほぼ1メートルで、若干横長です。空の青が「青いターバンの少女」の青色に似ています。

2軒目の美術館とデルフト観光

レンブラントの「デュルプ博士の解剖学講座」も大作で、臨場感が抜群です。17世紀の建物内にいるせいか、解剖学講座の生徒の1人になった気分です。午前中はこれでおしまい。ゆっくりランチを取って、午後からはハーグ市立美術館です。ここは世界一のモンドリアン・コレクションで知られています。お気に入りは、具象から抽象へと移る時代に描かれた「赤い風車」です。シンプルな形に重厚感がみなぎり、落ち着いて見られます。白地の上に黒い垂直線と水平線のグリッド模様と3原色で構成された絵画「コンポジション」も、種類がいろいろあって、しかもどれもバランスがいい。驚きですね。さて、目と頭はこの辺で休めて、もう一度列車に揺られます。10分でデルフトに到着です。21世紀のデルフトの眺望は、17世紀フェルメールの時代とどう変わったのでしょう。見比べてみてください。風車の描かれた陶器を土産に購入し、アムステルダムに帰ります。