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海外現地発ガイド通信

製粉や干拓だけじゃない。オランダの製材風車


掲載日:2019/06/02 テーマ:観光地・名所 行き先: オランダ / ユトレヒト

タグ: すごい! カフェ ビール 一度は見たい 建築 世界遺産 珍しい 歴史


世界は神が作ったがオランダはオランダ人が作った

製材風車デ・ステル。最盛期には製材風車は国内に600基以上あった 製材風車デ・ステル。最盛期には製材風車は国内に600基以上あった

風車と聞くと粉を引くイメージが一般的ですが、オランダの風車は粉引きの他に様々な役割があります。国土の3分の1が干拓で広げられた土地で出来ているオランダ。その干拓に重要な役割を果たしたのがご存知風車です。風車は言うなれば風を羽根に受け回転させ、原動力を得るための装置です。世界遺産キンデルダイクの風車群でお馴染みの干拓風車の場合、最下層部が水面下でスクリュー状になっています。風車の羽根が回ると連結された歯車も回転、歯車から動力は下層部に伝わりスクリューが回転、水流をコントロールして干拓及び排水灌漑が行われる仕組みでした。こうしてオランダ人は地道に国土を広げていきました。「世界は神が作ったがオランダはオランダ人が作った」 とオランダ人達が誇らしげに言う理由もよくわかります。ちなみに2017年には、オランダの風車または水車を管理する風車守の運転技術 (Craft of the miller operating windmills and watermills)がユネスコの無形文化遺産に登録されています。

製材風車デ・ステル

風車内部の歯車。製粉、灌漑、製材など風力が種々用途に使用された。 風車内部の歯車。製粉、灌漑、製材など風力が種々用途に使用された。

粉、辛子、油、染料などを挽いたり、干拓及び干拓と製粉を兼用するものなど実に様々な風車が活躍しました。そして今回紹介するのは、ユトレヒトにある風車デ・ステル(Molen de Ster)。1739年に建造され、現在オランダで唯一完全保存されている製材風車です。デ・ステルという風車名は設計者のデ・ステルにちなんで名づけられました。2018年には現在アメリカに住む設計者の子孫もこの風車を訪れています。製材風車の仕組みですが、先程説明した干拓風車では下層部は排水用スクリューですが、製材風車は巨大なのこぎりです。風を受け羽根が回ると内部の歯車から伝わる動力で巨大なのこぎりが上下動し、丸太を板へと製材していくのです。

オランダの発展に一役買った風車

風力により内部の歯車が回転。歯車により巨大なのこぎりが上下動し、製材が行われた 風力により内部の歯車が回転。歯車により巨大なのこぎりが上下動し、製材が行われた

切断速度は1時間に1mほど。巨大なのこぎりは18世紀当時デ・ステル内部に3機ありました。このような製材風車は人力よりも効率的に木材の生産を可能にし、造船業が大いに発展しました。オランダ人は電気も蒸気機関もない時代、風車を動力機関として活用したのです。
さてイギリスで産業革命が起こって以来、動力源は蒸気機関、やがては電気などへ移行し、オランダの動力源としての風車は役目を終えていきました。最盛期には600基あった製材風車も徐々に減っていき、デ・ステルも1911年に電力で製材することになり、風車による製材を終えました。

風車の麓で飲む地ビール

サンドイッチが盛られたプレートは風車で切った木材。購入もできる。 サンドイッチが盛られたプレートは風車で切った木材。購入もできる。

現在デ・ステルは風車公園として市が管理しています。毎週土曜日は風車内部を見学することができます。また敷地内にはカフェ、子供動物園なども併設し地元の人々の憩いの場になっています。カフェではサンドイッチやケーキ、コーヒーや紅茶、ソフトドリンクの他に、地ビールメニューが充実。お天気のいい日に風車の下での一杯は格別です。またサンドイッチが盛られたプレートは実際に風車でカットされた木材が使用され、そのプレートはお土産として購入可能です。その他年間を通し、地ビールフェスをはじめ、各種イベントが開催されます。オランダでも貴重となった製材風車。デ・ステルは駅からも近く訪れる価値のある施設です。

デ・ステル (Molen De Ster)

風車の麓は気持ちのいいオープンカフェ 風車の麓は気持ちのいいオープンカフェ

所在地:Molenpark 3, 3531 ET Utrecht
電話:030 299 0174
営業時間:
カフェ:水曜から日曜午前10時から午後6時。月、火曜定休。
風車ガイドツアー:毎週土曜日午後1時と午後4時(イベント、人数などの都合で変動あり)。無料。
行き方:ユトレヒト中央駅から徒歩8分

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2019/06/02)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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