この長い名前の世界遺産。ご存知でしたか?

ポーランドのクラクフは、市内を歩くだけでもすばらしい景観を堪能できますが、もう一足延ばして、「カルヴァリア・ゼブジトフスカ」へ行ってみませんか。クラクフからおよそ33kmのところにある小さな町です。この町にある修道院を中心とした敷地一帯は、世界遺産に登録されています。その名も「カルヴァリア・ゼブジトフスカ:マニエリスム様式の建築と公園の景観複合体と巡礼公園」。一度聞いたら忘れられない(でも一度ではまず覚えられない)世界遺産ですよ!

大修道院と元ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の像 大修道院と元ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の像

人工の美と自然の美を見に行こう

この世界遺産の魅力は、2つあると思います。ひとつは、大修道院のうっとりするほどの建築美。そしてもうひとつは、小さな礼拝堂が点在する、周囲の丘の清々しい美しさです。人工の美と自然の美の双方が補い合うようにして、この町の神秘性を高めていると思います。ポーランドでは古くから、ヤスナ・グラ修道院のあるチェンストホーヴァに次ぐ、カトリックの巡礼地となっています。

大修道院の中は壮麗な装飾に目を見張ります 大修道院の中は壮麗な装飾に目を見張ります

「カルヴァリア」=「ゴルゴタ」だったとは!

「カルヴァリア」とは、「ゴルゴタ」の意味です。「ゼブジトフスカ」は17世紀初めのクラクフ県知事ゼブジトフスキ氏の名前に由来します。ゼブジトフスキ氏が、この地をゴルゴタの丘になぞらえて修道院を建てたことから、カルヴァリア・ゼブジトフスカの歴史が始まりました。ポーランドは、国土のほとんどが平地です。けわしい山岳地帯などはまったくありません。このカルヴァリア・ゼブジトフスカという町は、そんなポーランドにはめずらしく、山(というか丘)の斜面に位置しています。

ちょっとしたピクニック気分にもなる、礼拝堂巡り ちょっとしたピクニック気分にもなる、礼拝堂巡り

日常から離れ、非日常世界に入る感覚

“高いところに神聖さを見いだす”という感覚は、日本を含め世界中で共通するようです。とりわけ、平地しか見たことのないような国の人からすると、山というものは非日常世界への入り口だったことでしょうね。ゼブジトフスキ氏が、ここの丘に登り、森に分け入ったときに、なにかしら特別に霊的な感銘を受けたとしても、不思議はありません。そしてその感覚は、現代に生きる巡礼の人々にも受け継がれているように見えます。後編は、カルヴァリア・ゼブジトフスカをゆっくり歩いてみます! (後編に続く)

巡礼ツアー参加者はたくさんいます 巡礼ツアー参加者はたくさんいます