普段あまりなじみのない岩塩坑。説明には驚くことがいっぱいです

「地下空間に売店やレストランも! 世界遺産『ヴィエリチカ岩塩坑』」その1からの続きです。注意事項を確認したら、いよいよ見学へ。私はクラクフ出発の日本語ガイドツアーを利用しました。ポーランド語ツアーや英語ツアーより値段は上がりますが、解説が細部まで大変わかりやすくて、世界遺産・ヴィエリチカ岩塩坑をたっぷりと楽しめましたよ。ここでは、ガイドさんに伺ったさまざまな説明の中でとくに興味深かったトピックを挙げておきましょう。

エレベーターで降りればらくちんです エレベーターで降りればらくちんです

木材を使うプラス面とマイナス面とは

入り口のエレベーターを降り、さらにずんずんと地下深くへ徒歩で降りていきますが、このときに皆が気づくのは、「坑道の壁や天井に木材が多く使われている」ということです。地下で逃げ場のない岩塩坑の中で、万が一にも火災が起きたら大変なのに? この理由はいくつかあります。元々は、「燃えやすい」というマイナス面よりも「安価である」ことを選択した、という資金面での理由が大きかったようです。また、塩の腐食に強いという理由もありました。

ツアーの最初の方にたくさん現れる「豊富な木材」 ツアーの最初の方にたくさん現れる「豊富な木材」

漆喰塗りの理由はなんでしょうか?

壁や天井には漆喰を白く塗った木材がしばしば見られます。これは、もしも明かりが消えてしまった場合、白い漆喰塗りの道は暗闇でも見えやすいからという理由です。さらに、ここを観光地として整備した際に、木が人間の排出するバクテリアを吸い込んでくれるから、というのが新しい理由だそうですよ。木材はとくに見学ルートの初めの方にたくさん見られるので、これらの理由を頭に、注目してみてくださいね。

しばしば見られる「白塗りの木」 しばしば見られる「白塗りの木」

火災を起こさないために火を焚いていました

坑内には塩を削って作ったさまざまな像があります。モニュメント的なものもあれば、昔の岩塩坑の労働シーンを再現している場所も、いくつも通ります。その中に、坑夫たちが長い棒の先に綿(わた)を集めたようなものをつけ、それを燃やしているというレプリカがありました。地下深い坑内で火災は命取りなのに、なぜ? これは、坑内に溜まるメタンガスを少しずつ燃やしているからです。換気の悪い坑内ではどうしてもメタンガスが溜まりやすく、メタンガスは爆発性が強く危険なのです。火災を防ぐために、少し火をつけていたんですね。(「その3」に続く)

火気厳禁のはずなのに、彼らはなぜ火をつけた棒を? 火気厳禁のはずなのに、彼らはなぜ火をつけた棒を?