ワルシャワで幼少期から10代までを過ごしたショパン

「ショパンの音楽のルーツを知る旅へ その1」からの続きです。「その1」でご紹介した生家から、ショパン一家はワルシャワへ引っ越します。ショパンの生後1年も経たないうちのことでした。その後、ワルシャワで青春時代を過ごしたショパンは、20歳でウィーン、続いてパリに渡り、39歳で亡くなるまで、祖国ポーランドに戻ることはありませんでした。今回訪れるのは、ワルシャワでショパンが行きつけにしていたというカフェレストラン「ホノラトカ」です。

レストランの壁に描かれたショパンの似顔絵 レストランの壁に描かれたショパンの似顔絵

経営者は変われど、“ショパン行きつけの店”の呼び声は変わらず

ホノラトカは、1826年創業の老舗レストランです。ショパンのかよっていた当時はカフェとしての要素が強かったようですが、現在は伝統的なポーランド料理が看板となっています。ショパンの好物は「ラム酒風味のチョコレートケーキ」だったそうです。ショパンの好んでいた料理をコース仕立てにした、ボリュームたっぷりの「ショパン・メニュー」が人気です。私は、(ポーランドのレストランは分量が多いので)ショパン・メニューではなく少なめのコースにしました。

ポーランドらしい、豪快な盛り付け ポーランドらしい、豪快な盛り付け

ワインセラーを改築した空間の使い方に注目

料理のお味は、いたって平均的。素朴でカジュアル、典型的なポーランド料理店といったところです。こちらは料理を堪能するよりも、ワインセラーを改築したという建物のおもしろさ、そしてショパンに思いを馳せる時間を楽しむことが正解です。ドーム状の天井は低めで、アーチ型の通路でいくつもの部屋に分かれています。秘密基地のようでもあり、地下の聖堂のようでもあり、なんともいえないロマンティックな雰囲気があります。ショパンの似顔絵が大きく描かれた壁では、お客さんたちがかわるがわる写真を撮っていました。

ムードたっぷりな店内 ムードたっぷりな店内

ワルシャワに現存する、唯一の“ショパン行きつけスポット”です

ショパンは20歳でワルシャワを出たので、彼がここに足繁くかよっていたのは10代ということになります。多感で血気盛ん、愛国心に燃えた若き日のショパンは、この場所で多くの愛国主義者たちと熱く議論を交わしたことでしょう。そんな風景を思い浮かべてみると、彼のピアノ曲の甘い旋律が、今までとは違って聞こえてくるかもしれませんよ。ショパンの行きつけは他にも何軒かあったようですが、現在も残っているのはこのレストランだけ。とても貴重な空間だと思います。(その3に続く)

素朴なデザートは、どこで食べてもおいしいです 素朴なデザートは、どこで食べてもおいしいです