ため息が出るような、美しい宮殿へ行こう

ワルシャワの歴史地区は、ただ散歩しているだけでもヨーロッパらしい街並みを満喫できる地区です。しかし、ポーランドの歴史を深く知ることで、散策もより意義深いものとなると思います。王宮広場にある「ワルシャワ旧王宮」へ行ってみましょう。ここを見学すれば、ポーランドの華やかだった時代を体感できますよ! 国内に数多くある博物館もいいですが、うっとりするような豪奢な建築には、理屈抜きで心奪われます。暗い戦いの歴史ばかりがクローズアップされがちなポーランドの、別の顔に触れたような気持ちになりますよ。

王宮広場のメインスポット、「ワルシャワ旧王宮」 王宮広場のメインスポット、「ワルシャワ旧王宮」

王政時代の面影が残る旧王宮

旧王宮は、王宮広場でもひときわ目を引く、鮮やかな赤レンガ色の建物です。広場の中心に、ジグムント3世の像が立っています。このジグムント3世こそ、クラクフからワルシャワへ、首都を移した王なんですよ。ワルシャワの繁栄は、遷都の1596年から始まりました。ジグムント3世時代には、「ヨーロッパで最も美しい宮殿の一つ」と称されていたそうです。入場料23ズオティ(約700円。日曜は無料)を払って、宮殿の中に入ってみましょう。

「宴会場」のすばらしさに、観光客も夢中で撮影しています 「宴会場」のすばらしさに、観光客も夢中で撮影しています

復元された美しい建築を堪能できます

宮殿に入ると、そこはもう近世ヨーロッパの粋を極めた、絢爛たる建築美の世界。それも造りたてのように美しいのです。……いえ、造りたての“ように”ではなく、これはジグムント3世時代の建物ではなく、1971年以降に復元された建物なのです。1971年に再建が決定し、1984年にやっと一部の復元された内装が一般公開されました。ですから、最初に王宮が建った近世の時代に比べれば、ある意味では“造りたて”といってもいいくらいに新しいのです。

赤、金、白の3色で彩られた「王座の間」 赤、金、白の3色で彩られた「王座の間」

時の政権に翻弄されてきた王宮の運命

なぜ、こんなに王宮の再建が遅れたのでしょう? ワルシャワの旧市街地は、第二次世界大戦で徹底的に破壊され、終戦後、市民の手で見事に復元されました。このことは、ワルシャワ歴史地区が世界遺産に登録されていることでご存知の方も多いでしょう。しかし、戦後のポーランドは共産主義のポーランド統一労働者党が政権を握っていました。王宮を昔の姿に再びよみがえらせると、ポーランドが王政を敷いていた時代(=共産主義国家ではなかったこと)を認めることになってしまう、と当時の政府は考えたのです。

細部まで芸(?)が細かい! 見学は時間をたっぷり取って! 細部まで芸(?)が細かい! 見学は時間をたっぷり取って!

小さい宮殿ですが、ポーランドの歴史が凝縮しています

戦後にワルシャワの町が徐々に復元されていくのに、王宮だけが廃墟のまま長らく打ち捨てられていたとは、想像するだけでも悲しい光景です。こうして、過去の栄華を物語る場所を訪れることができるとは、現在の旅行者は幸せですね。必見とされるのは、最も大きく豪華な部屋「宴会場」、重厚な色合いで身の引き締まるような「大理石の間」、そして赤、金、白の配色がうっとりするほど美しい「王座の間」でしょう。過去を見つめることで新鮮な目で現在の建築美を鑑賞できる、すばらしい見学となりますよ!

「大理石の間」は独特の色使い 「大理石の間」は独特の色使い