ヨーロッパのトレッキングの穴場タトラ山地

ヨーロッパの山岳トレッキングの名所といえば、みなさんが思い浮かべるのはスイスやピレネー山脈でしょうか。私がここ数年はまっているのは、トレッキングの穴場、ポーランドとスロバキアの国境に連なるタトラ山地です。スロバキアとポーランドの両側から幾つもの絶景ルートにアプローチできますが、日本からのアクセスの良さを考えると、行きやすいのはポーランド側になるでしょう。拠点となるのはザコパネという山岳リゾートの町です。ザコパネへは、世界遺産の古都クラクフから頻発しているバスで約2時間。高級ホテルから安宿、アパートメントまで宿泊施設も豊富に揃っています。

絶景! ポーランドとスロバキアの国境でトレッキング(前編) 絶景! ポーランドとスロバキアの国境でトレッキング(前編)

日本語のガイドブックはないけれど

残念ながらタトラ山地についての日本語のガイドブックはまだ出ていませんが、色分けされたルートが記された詳細な地図(約300円〜)を観光案内所で購入し、トレッキングのスタート地点までの行き方を案内所のスタッフや宿のオーナーに聞けば大丈夫です。ルート上の標識はしっかり整備されています。私は通販でイギリスのSUNFLOWER社のトレッキングガイド本「Tatra Mountains」を事前に手に入れました。ザコパネの町にはトレッキング用品のショップもあります。私はトレッキング前日に、ふだんは使わないのに急に思い立ってストックを1本買いました。これは虫の知らせというものだったのでしょうか、このストックに翌日大いに助けられることになるのです。

トレッキングの基点まではミニバスで移動

タトラ山地は東西に連なり、各トレッキングルートの基点までは、ザコパネのバスターミナル前からミニバスが出ています。ミニバス乗り場で「○○に行きたい」といえば、その辺にたむろしているドライバーたちが「あれに乗りな」と教えてくれます。ミニバスは距離によって100〜300円くらい。ドライバーから直接チケットを買って乗ります。今回私が挑戦したのはスロバキアとの国境となる稜線を歩くルートです。スロバキア側から国境の稜線を目指すとなるとかなり歩かねばなりませんが、ポーランド側からは老若男女誰でも行くことができるのです。

ポーランド・スロバキア国境の稜線を目指す

国境の稜線に簡単に行くことができるのは、国境にそびえる1987mの大カスプロヴィ山(Kasprowy Wierch)の麓のKuzniceから山頂までを結ぶロープウェイがあるからです。このロープウェイで山頂まで行き、そこから国境の稜線を縦走するルートはとても人気があります。トレッキングをしなくても、ロープウェイの山頂駅周辺を散策する人たちも多く、夏場は特ににぎわいます。出遅れるとロープウェイを待つ長い列に並ばねばなりません。トレッキングや登山は午前中が勝負というのがひとつのセオリーですが、ロープウェイに素早く乗るためにも、朝早いうちに出かけることをお勧めします。(後編に続く)