どこか懐かしいポルトガルのお菓子

パリやウィーンのお菓子のような華やかさはありませんが、素朴でどこか懐かしい気分にさせられるのがポルトガルのお菓子です。それもそのはず、1543年の種子島鉄砲伝来以降、日本とポルトガルの交流が深まり、交易によって多くのポルトガルの文化やモノが日本にもたらされましたが、その中にポルトガルの伝統菓子もありました。海を渡って日本に伝えられた南蛮菓子は、カステラや金平糖、福岡の銘菓「鶏卵そうめん」など、日本人の味覚にしっかりと刷り込まれ、そして定着しました。私たちの味覚に組み込まれた洋菓子のルーツは、ポルトガルの素朴なお菓子の味なのかもしれません。

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黄金のクリーム「ドース・デ・オヴォシュ」

パステラリアと呼ばれるお菓子屋兼カフェに入ると、ショーケースにずらりと並んでいるお菓子が、どれもみんな黄色いんですよね。食べてみると、卵の黄身の濃厚な風味が感じられますが、これは、ほとんどのお菓子のベースになっている「ドース・デ・オヴォシュ」という卵黄クリームによるものです。その昔、中世の修道院では洗濯物の糊付けに卵白を使っていましたが、そのときに大量に残った卵黄の使い道として生まれたのが、この卵黄クリームでした。ポルトガルのお菓子に欠かせないオヴォシュは、和菓子の「あんこ」のようなものといえるでしょう。

カステラの原型「パォン・デ・ロー」

「パォン・デ・ロー」は、南蛮菓子の代表、カステラの原型となったお菓子で、半生タイプと完全に焼けたタイプの2種類あります。知らずに半生タイプを買ったときは、食べてみたら中がドロッとしていてビックリ!!生焼けの失敗作を間違えて店に出しちゃったのかと思いました。半生タイプは、その生焼けの部分が濃厚なソースのようで、焼けた部分に絡めて食べると激ウマです。また、完全に焼けたタイプのパォン・デ・ローはシフォンケーキのようなのですが、シフォンケーキよりももっときめが細かく、卵のしっとり感があって、これまたにんまり笑っちゃうほど美味しいのです。

行列のできる人気店に行こう!!「パステル・デ・ナタ」

日本では一時マカオ風エッグタルトが流行りましたが、本家本元はマカオの宗主国だったポルトガルの伝統菓子「パステル・デ・ナタ」です。どこのパステラリアでも食べられますが、ポルトガルで最も美味しいナタを食べるなら、リスボンのベレン地区にある老舗「パステイス・デ・ベレン」に行くべし。世界遺産のジェロニモス修道院秘伝のレシピで作られるナタは、400度の高温で焼かれるパイ皮がパリパリ、クリームは滑らかで本当に美味しいのです。お店の前にはテイクアウトの行列ができ、中のカフェはとっても広いのにいつも満員ですが、この店のナタはちょっとくらい待たされても食べる価値ありです!!