エッグタルト、初体験は香港でした

ポルトガルのスイーツの王様といえばエッグタルト、「パステル・デ・ナタ」でしょう。エッグタルトは数年前に日本でも流行りましたね。私が初めてエッグタルトを食べたのは、香港とマカオを旅した時です。クッキー生地のタルトにカスタードプリンが入った香港のエッグタルトに対し、「ポルトガル風」を名乗るマカオのものは、表面がこんがりと焦げた濃厚なカスタードクリームとバターの風味と濃いパイ生地の組み合わせが絶妙で、どちらも甲乙つけがたい美味しさでした。そしてそれから15年近くが経ち、初めてポルトガルに行ったときに、ついに念願の元祖エッグタルト、ナタを食べたのです。

世界遺産の修道院秘伝のレシピで作られるという、絶品エッグタルトを食べ逃すべからず 世界遺産の修道院秘伝のレシピで作られるという、絶品エッグタルトを食べ逃すべからず

本場ポルトガルのナタにちょっぴりがっかり

宿の近くにあったカフェのウィンドウには、ナタがずらりと並んでいます。ポルトガルのミルクコーヒー「ガラオン」と一緒にナタをオーダーしました。期待を込めてひと口。あれ? 『期待したほど美味しくないかも』というのが正直な感想でした。日本の繊細な洋菓子に慣れた舌には、ちょっと野暮ったくて甘すぎるように感じたのです。香港やマカオのエッグタルトは、彼らの味覚に合うようにバージョンアップされていたのかもしれません。それが日本人の口にも合うのでしょう。リスボンのいくつかのカフェで試してみましたが、これはと思えるようなナタにはなかなか出合えませんでした。

元祖「パステイス・デ・ベレン」のナタやいかに!?

ベレン地区に出かけた折、ナタの老舗として知らない者はいないという名店「パステイス・デ・ベレン」に行ってみました。店の外まで溢れる人の列は、入ってすぐのカウンターのテイクアウトのお客さんでした。その奥の喫茶室はいくつも小部屋があるのですが、どの部屋も満席です。空いた席にすかさず陣取り、ナタとコーヒーをオーダーしました。店内の壁にはアズレージョと呼ばれる装飾タイルが張られていて、クラシックな雰囲気が漂います。待つことしばし、焼き立てのナタが運ばれてきました。早速ひと口ほおばります。『こ、これは美味しい! 他のとは全然違う!!』

さすが門外不出のレシピ

パステイス・デ・ベレンのナタは、そばにある世界遺産「ジェロニモス修道院」の門外不出の秘伝のレシピによって作られています。そのレシピを知るのは3人だけなのだとか。焼きたてのナタは、パイ皮がパリパリでクリームも甘すぎず絶品でした。特に、400度のオーブンで8分焼かれた皮のパリパリ具合は、今までに味わったことがない食感です。町のカフェのナタも、焼き立てだったらもっと美味しいのかもしれないなあと思いました。リスボンに行ったらここのナタを食べ逃してはいけません。どんなに混んでいても待つ価値ありの美味しさです。ナタは焼き立てがやはり勝負なのです。