日本の演歌のような心にしみる音楽 ファド

海外を旅行すると、その行った国先々に独特の音楽があることを知ります。和の音に日本文化が表現されているように、各国には、住んでいる人々の生活や歴史を感じさせてくれる音楽があり、そこに着目した旅も面白いのではないでしょうか。私が、旅先で生演奏を初めて聴き、惚れてしまったのがポルトガルのファドです。フランスのシャンソンのようでいてそれとも異なり、スペインのフラメンコ音楽とも異なります。ヨーロッパ大陸、西の果てポルトガルに、むしろ日本の演歌のような音楽があるのです。

人の心に語りかける音楽 ポルトガルのファド 人の心に語りかける音楽 ポルトガルのファド

惚れてしまう、叙情豊かなその歌

ファドとはポルトガル語で、「運命」や「宿命」を意味しする民族歌謡です。その起源は11世紀ごろからなど諸説ありますが、19世紀以降は下町庶民文化として発展してきました。構成は、歌い手、ポルトガルギターとクラッシックギターの少なくとも3人が一般的。ギターの奏でる悲しいメロディーに乗せ、歌い手が切ない歌詞を歌います。その云われからも、また曲のトーンの低さからも、歌詞の内容が分からずとも、切なく心に残る音楽のイメージを持ちました。本場のライブで生声を聴くと、その叙情豊かな音楽の虜になってしまいます。

人気ファドを聴きに行くなら、予約は必須

人気のファドのライブは、予約がおすすめです。私たちは、予約せずに町の中心地アルファマ地区のレストランへ行き、1軒目は満席のため入れず、2軒目でギリギリ滑り込みで入ることができました。レストランは、ファドを聴きに来たお客で満席。ライブ前に食事を注文し、食べながら演奏を聞くこともできましたが、ライブ中はみな食事や会話を止めて、聞き入っていました。1時間程のライブですが、ファドの世界にとっぷりと漬かるには充分な時間。狭いレストランに響き渡る歌声やギターの音色。最高の一夜を過ごすことができ、ホテルへの帰り道まで余韻が残りました。

CDを買って、たどり着いた新しいファド

前夜に生ライブでファドを聴いて、いたく感動してしまった私。その翌日には、自分用の土産にCDを3枚買いました。さすが、本場!市内のCDショップではたくさん売られており、価格も安い!日本に帰ってから聞いてみると、暗い曲調ばかりでなく、明るいものも。観光客向けのライブは、イメージ通りしっとりとした演歌のようだったのに、明るいテーマの歌や曲調もあるのだと後で知りました。多色なその音楽性、その奥深さに、再度惚れてしまいました。今度は、こんな明るい曲も聴いてみたいな、と次のポルトガル旅行への意欲は万端です。