大航海時代の覇者ポルトガルにはお宝がいっぱい

ヨーロッパの国々の中でも、フランスやイタリア、スペインなどは、季節を問わず多くのツーリストが訪れます。これらの華やかな国々の陰にひっそりと隠れているポルトガルですが、地味でマイナーな国のようでいて、実はすごいお宝(=見どころ)をたくさん持っているんですよ。大航海時代にはスペインとともに「太陽の沈まぬ国」として名を馳せたポルトガル。この国が隆盛を極めた時代の名残を、いまだにいたるところに見ることができます。そのひとつが、世界でも珍しい、馬車だけを展示した「国立馬車博物館」です。

実はすごいお宝がいっぱいのポルトガル。リスボンにある「国立馬車博物館」がすごい!! 実はすごいお宝がいっぱいのポルトガル。リスボンにある「国立馬車博物館」がすごい!!

リスボンのベレン地区にある「国立馬車博物館」

国立馬車博物館は、リスボンのベレン地区にあります。世界遺産のジェロニモス修道院からは歩いて5分くらいでしょうか。私は、知人がジェロニモス修道院を観光している間、時間潰しのつもりで近くにあったこの博物館に入ってみたのですが、中に入ってびっくりしました。王立の乗馬学校だったという18世紀の建物は、メダリオンの中に描かれた天井画が美しく、入り込む自然光とわずかの照明だけの薄暗く広い室内には、手前から奥へと整然と馬車が並んでいます。

馬車というより、まるで動くミニ宮殿

この博物館の白眉は、17〜19世紀に王侯貴族や国賓のために造られた、豪華絢爛な馬車の数々。部屋の奥には最も豪華で重要な馬車が置かれていますが、そのデコラティブなことといったら、私たちが持つ馬車の概念をはるかに超えるものがあります。最近では、英国のウィリアム王子の結婚式の、馬車に乗ってのパレードが記憶に新しいところですが、あの時の馬車など比ではありません。美術品と言ってもおかしくないような装飾が施され、まるで動くミニ宮殿といった様に唖然としてしまいます。

見ごたえたっぷり、ベレン地区の穴場

最も古いコレクションは、ポルトガル王フェリペ2世(スペイン王フェリペ3世)の馬車で1619に作られたものです。この王様はトイレが近かったため、馬車の中にはトイレ用の穴があります。また、最もゴージャスなのは、ローマ教皇クレメンス11世に贈られた1716年イタリア製の馬車です。金ピカの彫刻が馬車の前面に置かれ、車輪の直径は私の背丈ほどもあります。それぞれ趣向を凝らし贅を尽くした馬車をじっくり見ていると、あっというまに時間が経ってしまいました。国立馬車博物館は、もしかしたらベレンの塔や発見のモニュメントよりも見ごたえがあるかもしれない、ベレン地区の穴場です。