軽く一杯ひっかけて、街歩きを続けます

(その1から続く)ロシオ広場の北側には白亜の堂々たるマリア2世国立劇場があります。夜になるとライトアップされ、より美しいです。この建物の横を入ったところにあるのが、『A G injnha (ア・ジンジャーニ』。サクランボのお酒を出す立ち飲み屋さんです。小さなグラスに深い紅色のお酒が注がれます。くいっと一杯。最後に口の中に、サクランボが一粒入っているのがわかります。ここで一杯やるのは、観光客のたしなみのようなもので、多くの人が立ったまま、楽しそうに杯を傾けています。そしてすぐ隣のフィゲイラ広場から、今度は15番の市電に揺られます。揺られること約30分、華麗で壮大なジェロニモス修道院が見えてきます。ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路開設を記念して、16世紀初頭から19世紀にわたって300年もかけて造られたのです。この修道院は、大航海時代の富の象徴と言われています。

地図を片手にポルトガルのリスボンを街歩き〜世界遺産から絶景、下町を行く(その2) 地図を片手にポルトガルのリスボンを街歩き〜世界遺産から絶景、下町を行く(その2)

彫刻が素晴らしい!

ジェロニモス修道院の建築様式は後期ゴシック様式と言われますが、そのあまりに華美な装飾は、バロック建築を彷彿とさせるものもあります。彫刻に使われているモチーフには、大航海時代を表現するものがふんだんに使われています。鎖やロープ、ロープの結び目、船窓の蓋、海草、貝殻、天球儀、波や新大陸、キリスト教の象徴、インドや南アフリカの植物などです。とくに目立つのが柱に巻きつくように装飾された鎖でしょうか。ポルトガルが成し遂げた、外海への挑戦と、大航海時代の幕開けを高らかに歌い上げるような彫刻の数々には、この国の誇りを感じます。そして1543年には、このポルトガルによって、日本の種子島に鉄砲が持ち込まれたのはあまりに有名です。それ以降も、テンプラ、カステラ、ボタン、カッパ、タバコ、カボチャ、キャラメルなどが、言葉とともに、日本に持ち込まれたのです。

「発見のモニュメント」は必見!

同時期に建てられたのが、テージョ川の河畔にあるベレンの塔です。ジェロニモス修道院とセットで世界遺産に登録されています。ジェロニモス修道院からは徒歩20分ほどの距離です。見学し終えたら、川沿いを上流に向かってみましょう。高さ52メートルの巨大なモニュメントが見えてきます。こちらは「発見のモニュメント」。教科書等で見覚えのある方も多いにちがいありません。エンリケ航海王子を筆頭に、マゼランやヴァスコ・ダ・ガマ、フランシスコ・ザビエルなど33名の偉人の姿が彫刻されています。全員がはるか先の海原を臨むようなデザインは、なかなかカッコいいですね。1960年、エンリケ航海王子没後500年を記念して建てられました。このモニュメントの前の広場には世界地図が描かれた床があり、ポルトガルが世界各地を「発見」した年が記されています。日本は豊後に漂着した1541年となっています。(その3へ続く)