ポルトガル独特のマヌエル様式とバロック様式が混在

バロックとはもともとポルトガル語で「いびつな真珠」という意味です。16世紀末にイタリアから始まったバロック建築は、17世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパやロシアへ広がりました。ポルトガルには独特のマヌエル様式という建築様式があります。15世紀末マヌエル一世の時代に、後期ゴシック様式と合体して、装飾過剰なマヌエル様式が生み出されました。ポルトガルでは、バロックより先に、バロックよりも派手なこの様式があったのです。この両方の様式が入り混じった建築がポルトガルには珍しくありません。

ポルトガルの黄金のバロックを楽しもう ポルトガルの黄金のバロックを楽しもう

ポルトガル・バロックの最高傑作はこれ

ポルトガル・バロックの最も有名な建築物はポルトのサン・フランシスコ教会でしょう。建物はゴシックですが、内部は豪華絢爛なバロックです。17、18世紀に礼拝堂が「ターリャ・ドゥラーダ」と呼ばれるポルトガル独特の金泥の木工細工で飾られました。ところが、あまりにも装飾が過剰になり、清貧なシトー派の宗義に合わないと、ここでのミサが行われなくなったという話があるほどです。ここにある「キリストの木」はバロックの最高傑作の一つ。ぜひお見逃しなく。ポルトでは15世紀に建立されたサンタ・クララ教会もお勧めです。祭壇の内部装飾はポルトガル・バロックの代表作といわれています。

見事な祭壇装飾のお勧めはここ

祭壇の装飾で有名なのは、アヴェイロの美術館です。15世紀に建立された修道院を美術館に転用したもので、大理石のモザイクで飾られた王女ジョアナの石棺は、バロックの傑作といわれています。また、リスボンのアズレージョ美術館にある祭壇の装飾も実に見事なもので、16世紀のマデレ・デ・デウス修道院を転用した博物館です。内部の装飾は18世紀のもの。リスボンにおいでの際は、アズレージョ美術館にぜひお立ち寄り下さい。ポルトガル・バロックの華麗さと、アズレージョ(装飾タイル)の美しさを堪能できることでしょう。