イベリア半島北西部にある独特の文化

ポルトガル最北部は派手な観光地が少ない田舎ばかりですが、スペインとの国境が近いこともあって、スペインを含むイベリア半島北西部の文化が今も色濃く残っています。そのひとつが「エスピゲイロ」と呼ばれる高床式の穀物倉庫です。スペインのガリシア地方では「オレオ」と呼ばれています。そのエスピゲイロがあるのが、ペネーダ・ジェレース国立公園のなかのリンドーゾとソアージョという2つの村です。ここにはエスピゲイロが多数集められた公園があります。ここに行く公共の交通機関はほとんどないので、ポンテ・デ・リマという街からレンタカーで向かいます。

ポルトガル最北部にレンタカーで、石の穀物庫エスピゲイロを見に行く ポルトガル最北部にレンタカーで、石の穀物庫エスピゲイロを見に行く

エスピゲイロを求めてリンドーゾへ

ポルトから北へ約70kmのポンテ・デ・リマも、ローマ時代の橋が架かる静かないい街です。そこからペネーダ・ジェレース国立公園へ向かうN203号線はよく整備されており、車もほとんど走っていません。ポンテ・ダ・バルカという街を過ぎると、このエスピゲイロがちらほらと姿を見せてきます。今でも実際に使われているのですね。そこからおよそ10kmでリンドーゾです。リンドーゾ城が建っていて、その脇に50棟ほどのエスピゲイロが集められているのが見えます。どれも石造りで苔むしています。主に17〜18世紀に造られたものですが、城のそばにまとめて建っているのは、穀物の収穫が集団で行われたことと、外敵が襲ってきたときに穀物を城の中に運び込むためだったそうです。

エスピゲイロはなぜ高床式なのでしょうか

リンドーゾからソアージュへの道はかなりの山道で、狭く曲がりくねっています。ソアージュは小さな村で、こちらにも50棟ほどのエスピゲイロが集められた公園があります。村の中でも現役のエスピゲイロを見かけるので、やはりこの地方では今でも多くのエスピゲイロが使用されているのですね。エスピゲイロは高床式の細長い穀物庫ですが、風通しをよくするために、壁にはスリットが入っています。そして躯体を支える柱にネズミ返しが付いているのは、日本の高床式と同じです。そして屋根には十字架が立っています。豊かな収穫があることを神に祈ったのかもしれませんね。