小さな町を散歩して美しい教会を見る

ポルトガル北部の中心都市ポルトから東へ約80km、ノルテ地方に真ん中に「王家の町」という名前を持つ町があります。ヴィラ・レアル。人口2万5000の小さな町で、特に有名な見どころがあるというわけではありません。しかし、町をぶらぶらと散歩すると、アズレージョ(ポルトガル特産の青タイル)を一面に貼ったサン・ペドロ教会や、バロック様式のノヴァ聖堂といった美しい建物が見えてきます。特にノヴァ聖堂の内部に貼ってある18世紀のアズレージョは一見の価値があります。現在はツーリスト・インフォメーションに使用されているヴィラ・レアル侯爵邸では、マヌエル様式の装飾を見ることができます。

アズレージョの教会とポルトガル・バロックの邸宅 アズレージョの教会とポルトガル・バロックの邸宅

世界的に有名なワインを作った貴族の邸宅

さて、ヴィラ・レアルの郊外には、ポルトガル・バロックの傑作といわれているマテウス邸があります。1740年にイタリア人建築家ニコラウ・ナソーニによって建てられたもので、世界的に有名なワイン「マテウス・ロゼ」を生み出したマテウスの邸宅です。16世紀頃に収集された本が収められた書斎、豪華なゲストルーム、ダイニングルームなどにはブラジル産のマホガニーで作られたポルトガル・バロックの優美な家具が置かれ、天井には豪華な彫刻が施されています。さすがに当地の有力貴族だけあって、マテウス邸は豪勢かつ優美な造りです。

ポルトガル・バロックの邸宅に中国の磁器皿

ワインで富を築いたマテウスの自慢のコレクションは、中国、広東の染め付けの磁器皿でした。邸宅の内で最も目立つところに置かれています。当時、中国の磁器は超高級品で、これを持つのが貴族のステータスであったといわれ、大いにもてはやされました。内部を案内してくれたガイドの説明によれば、さすがにこのような磁器は日常的に使われることはなく、特別なディナーの時だけ用いられたそうです。凝りに凝った装飾で埋め尽くされたポルトガル・バロックの邸宅に住んでいても、中国の青い染め付けの皿は神秘的な魅力を放っていたのでしょう。