スペイン国境に隣接するポルトガルの辺境

北部ポルトガルとスペインの国境近く、ポルトから東へおよそ200km近く離れたところにミランダ・ド・ドウロという小さな町があります。人口はわずか2000人。ポルトガルでは辺境といわれるところで、かつてはスペインのアストロガ修道院領でした。数世紀にわたってポルトガル国内からも孤立していたといわれるほどです。なるほど、今でもここにいたる道路の脇はブドウ畑と石の転がる荒れ地ばかりです。街を流れるドウロ川がスペインとの国境なので、スペイン人の観光客がたくさんやってくるそうです。

ポルトガルの辺境ミランダ・ド・ドウロで中世の旧市街を歩く ポルトガルの辺境ミランダ・ド・ドウロで中世の旧市街を歩く

中世の面影を残す小さな旧市街

街は新市街と旧市街に分かれています。新市街には店やホテルが並び、旧市街は小さくて、30分も歩けば見終わってしまいますが、16世紀頃のゴシック様式のセ大聖堂や教会が建ち、小さな博物館もあります。博物館に展示してあるのは、この地方の民族服や農機具など。白い壁の建物に石畳の路地といった街並みは、今でも15〜16世紀の面影を残しています。ここでは当時の豪族が独特のマントを着用していたそうで、その銅像が旧市街の広場に立っています。

ポルトガルでは唯一ここだけという言葉

ポルトガルはヨーロッパでは珍しく単一言語の国ですが、ミランダ・ド・ドウロは何世紀も孤立していたせいで、この地域特有の伝統文化やミランダ語という独特な言語が残っていることで知られています。フランス語とスペイン語とポルトガル語がまざったような言語で、今でもその言語が話されているそうです。ポルトガル政府は、ずっとこのミランダ語の存在を認めていませんでしたが、1999年ようやく公認し、ポルトガルではこのミランダ語が唯一の第2言語になったそうです。それでこの地方では道路標識にポルトガル語とミランダ語の2言語が併記されています。他のヨーロッパ諸国では珍しいことではありませんが、ポルトガルではここだけなんですね。