ガイドブックに出てこない見どころ

もしバルサナ修道院を訪れることがあったら、そのすぐそばにガイドブックには出てこない見どころがあるので、お見逃しなきように。実は、このバルサナ修道院があるバルサナ村には、マラムレーシュ地方独特の門構えの家が数十軒建っています。門柱すべてに精緻な木彫りが施され、実に美しく見事なものです。伝統的な飾りですが、現在でもこういう門は造られており、村では職人さんの一人が小さな博物館を開設しています。村人に尋ねれば教えてくれるでしょう。門の前には長いすがあって、そこで老人たちがよくおしゃべりをしています。そんな緩やかな時間をすごすのがマラムレーシュの旅かもしれませんね。

ヨーロッパ最後の中世、ルーマニアの村々を歩く(その2) ヨーロッパ最後の中世、ルーマニアの村々を歩く(その2)

陽気な墓ってどういうこと?

シゲット・マルマツィエイから北へ20kmほどのところに有名な墓地があります。その墓地の墓は「陽気な墓」と呼ばれています。なぜ死者を葬った墓が「陽気」なのでしょうか。それは、ここに建てられた墓に、明るくカラフルな絵が描かれているからです。その絵は、亡くなった人が生前にどのような仕事をしていたか、どういう人だったのかが描かれていて、その絵を見ると、悲しみよりも、生き生きとしたその人の人生を感じることができるからなのでしょう。もっともこれは1930年代に、一人の職人さんが始めたことで、伝統的なものではありません。しかし、この「陽気な墓」が広く話題になり、今では多くの観光客が訪れるようになっています。

究極のエコロジー機械

ルーマニアの田舎を歩いていると、珍しいものに出合います。教会を見に歩いていたら、農家のおばあさんから声をかけられたことがありました。家を見て行けといっているように聞こえます。それでおじゃますると、庭先に小川が流れ、そこから直径2mほどの大きなたらいへ水が引き込まれていました。たらいの中では水が渦巻いているのですが、おばあさんはそこにじゅうたんを放り投げるではありませんか。なんと、それは洗濯機だったのです。じゅうたんのような大きなものを手で洗うのは大変なので、こういう自然の動力を活用した洗濯機で洗っているのですね。この地域ではこうやって洗っているのよとおばあさんが教えてくれました。(その3へ続く)