思い出深いデザートは、「ピロシキ」?

「海外旅行で食べたデザートで、何が思い出に残ってる?」娘に尋ねてみると、こう即答しました。「ロシアで食べた、ピロシキ」。ピロシキなら日本でもいくらでも食べられますよね。ひき肉と玉ねぎを炒めて、パン生地に詰めて油で揚げたもの……でもこれって、“デザート”と呼べるのでしょうか?

世界のデザート〜「ピロシキ」といえばひき肉入り揚げまんじゅうのこと、ではないのです! 世界のデザート〜「ピロシキ」といえばひき肉入り揚げまんじゅうのこと、ではないのです!

「揚げ中華まん」のようなピロシキはむしろ日本食かも?

実は、今書いたような「ピロシキ」は、本場のピロシキの中のほんの一例に過ぎないのです。ピロシキは、ロシアをはじめとする東欧諸国で広く食べられている軽食です。ピロシキという言葉はロシア語ですが、遠くイランやアルメニアにまでも伝わり、似たようなパンがあるんですよ。伝統的な家庭料理でもあり、どの街角でも売られているシンプルで手軽な軽食、例えればちょうど日本の「おにぎり」のような存在といえるでしょうか。日本でピロシキだと思われているものは揚げたものがほとんどですが、ロシアでは焼いたものの方がずっと多いんですよ。

デザートにもなる、奥深いピロシキの世界!

中に詰める具材も多種多様。日本式にひき肉と玉ねぎというのももちろん、ゆで卵、チーズ、キノコ類、じゃがいも、にんじんやキャベツなど、おにぎりの具材以上に自由になんでも入れます。「意外とおいしい」と日本人に人気が高いのは、お米と刻みネギやゆで卵を混ぜたもののピロシキ。パンの中からごはんって、不思議な気もしますが、我が日本にも「焼きそばパン」という組み合わせの惣菜パンがありますよね。そして、りんごなどフルーツの甘煮やジャムを詰める、デザートとなるピロシキも! これこそが、娘の言っていたピロシキなんですね。つまり、小麦粉の生地でくるんで焼く(もしくは揚げる)ことさえすれば、なんでも「ピロシキ」と呼べるのです。

あなたの好みを見つけに行ってください!

日本にふつうに暮らしていて、ピロシキを常食している人はごくわずかだと思います。ロシアレストランに行っても、供されるのはやっぱり型通りの“日本風”ピロシキ。これはこれでおいしいけれど、本場へ行けば、数え切れないバリエーションのピロシキが待っています。ひき肉入り揚げパンという既成の概念を崩しに、ロシアへ行ってみませんか。「好きなデザートはりんごジャムのピロシキかな」なんて話す日が来るかもしれませんよ!