輸送人数世界第二位の市民の足

モスクワの地下鉄は1935年に開通し、市民の主要な足として、モスクワの全交通量の60%近くを占め、一日の輸送人数は東京に次いで世界二位を誇ります。旧ソ連とか社会主義国というと「非効率」「遅延」「故障」など、どうしてもネガティブなイメージを持ってしまいますが、実はロシアの地下鉄、非常に優秀なのです。そのひとつが「運転間隔の短さ」で、1968年の頃にすでに85秒間隔運転が目標とされていました。ロシアがソ連の頃から日本並みの運行ダイヤを持っていたなんて、ちょっとビックリしますね。今でも躍進は続き、2014年までには車内wi-fiを整備する方針なのだそうです。ハラショー(素晴らしい)!

共産時代の威光きらめく、宮殿のようなモスクワの地下鉄駅 共産時代の威光きらめく、宮殿のようなモスクワの地下鉄駅

豪華な装飾の美しい駅

モスクワの地下鉄のいくつかの駅構内は、それぞれ異なった趣向で豪華な装飾が施され、見どころのひとつになっています。特に豪華で見ごたえがある駅は、ステンドグラスが美しい「ノボスロボーツカヤ」、詩人マヤコフスキーの詩が天井に書かれた「マヤコフスカヤ」、シャンデリアとレリーフが優雅な「アルバーツカヤ」、絢爛豪華な「コムソモーリスカヤ」など。また、これらソ連時代の駅は歴史遺産として保存されていて、駅自体が博物館のようなものといえます。「プローシャヂ・レボリューツィイ(革命広場)」駅にはロシア革命の戦士の像が並び、「キエフスカヤ」はレーニンと軍隊をたたえるモザイクで飾られています。

もうひとつの名物、エスカレーター

もうひとつ、モスクワの地下鉄で有名なのは、その“深さ”です。東西冷戦時代は、地下鉄構内が核シェルターになると言われていたほど。その地下深くに降りていくエスカレーターのスピードがまた驚くほど速く、傾斜がきついのです。はじめは乗るのも降りるのもタイミングを合わせるのが大変で、ここのお年寄りや子供は大丈夫なのかと思ったものでした。まだソ連が崩壊してそれ程経っていなかった頃は、暗く深い地下からエスカレーターで昇ってくるロシアの人たちの表情が暗く、まるで希望がないように陰鬱に感じられましたが、今は世界一物価の高い、お金持ちの多い都市のひとつですからね。時代の流れを感じます。

キリル文字と切符売り場のおばさんに一苦労

モスクワの地下鉄は市内をほとんどカバーしているので、旅行者にとっては大いに利用価値があります。ただ、ここでもロシアの旅行で最大の難関であるキリル文字に悩まされます。乗り換え案内の表示などしっかりしているのですが、なにしろキリル文字でしか表記されていないのです。切符売り場の女性の愛想のなさは社会主義の負の遺産でしょうか(笑)、英語で話しても「ニエット(ない)」と取りつく島もありません。しかし、進歩を続けるモスクワの地下鉄、今は自動券売機も並ぶようになりました。さあ、恐れずに(笑)ソ連時代の威光を見に地下鉄駅巡りに出かけましょう!