日本に最も近いヨーロッパの町

ウラジオストックの町が造られたのは、日本の幕末、帝政ロシア時代の1860年です。帝政ロシアの最後の時期に、帝国の力を総動員して造られた町は、サンクト・ペテルブルグと並ぶ西欧風の町に仕上がりました。軍港が置かれ、シベリア鉄道の終着駅となります。そして日本との貿易も盛んになり、大正中期には、日本人街ができあがるほどで、在留邦人は6000人にも達したそうです。しかし旧日本軍のシベリア撤退以降、日本人在住者は減少します。そして戦後、1958年から1991年まではソ連国内の人を除いて立ち入りが禁じられ、閉鎖都市となり、我々日本人の記憶の中からも、まぼろしの町となっていくのです。しかし2017年8月から予定されている、「ウラジオストックに限りノービザ渡航がOK」により、いま注目されつつあります。成田空港からわずか2時間半で行けるヨーロッパの町。それがウラジオストックなのです。では、その見どころをご案内していきましょう。

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ウラジオストックの意味は…?

ウラジオストックは、19世紀のヨーロッパの街並みが、そのまま保存されたかのように残されています。坂道が多く、港へと通じる風景は、「ロシアのサンフランシスコ」とも呼ばれています。この町のメインストリート、スベントランスカヤ通りに行けばその理由もわかるはず。旧日本領事館など歴史的建造物も多く、またレストランも集まっているので、街歩きするには恰好の通りです。金角湾方面を南に下れば、シベリア鉄道の発着駅ウラジオストック駅があり、またそのそばには潜水艦C-56博物館があります。かつてベールに包まれていた軍港も、いまでは観光化しつつあるのです。そうそう、ウラジオストックの意味は「極東を制覇せよ」です。なんとすごい名前なのでしょう。今でもロシア太平洋艦隊の本拠地なのです。駅のすぐそばの桟橋からは海上遊覧船が出ています。1時間コースで1500円ほど。必見です。軍艦を見て回るのですから。

ウラジオストックにそっくりな町は…?

また鷹の巣展望台も、ウラジオストックの全景を見るには絶好の場所に位置しています。金角湾をまたぐ金角湾横断橋が見えます。このウラジオストック、金角湾という名前といい、その風景といい、トルコのイスタンブールに似ていますね。かつてロシア艦隊は、黒海からイスタンブールのボスポラス海峡を通って、南進しようとしました。ところがオスマントルコ帝国がこれを阻止、日露戦争の折にも大艦隊を編成できずに、日本の辛勝に終わったのです。以来、日本とトルコは反ロシアという立場で仲良くなったと言われています。ウラジオストックが建設されたのは、日露戦争の50年も前のことですが、この軍港にイスタンブールと同じ金角湾を名づけるあたりに、ロシアの憧れがうかがえます。それくらい似ているのです。そんな歴史に思いを馳せると、ウラジオストック観光がより楽しめるでしょう。