シャトルバスでオルデサ渓谷の入り口へ

前編からの続きです。展望台巡りはすでに予約でいっぱい。出鼻をくじかれた我々に残されたのは、オルデサ渓谷のハイキングだけになってしまいました。ハイキングのスタート地点となるオルデサ国立公園の入り口までは、夏の最盛期の間は、トルラ村(標高1030メートル)のインフォメーションセンター前発着のシャトルバスを利用します。翌日、我々がバス乗り場に向かうと、すでにバスを待つ人たちの行列ができていました。子供連れのファミリーや、犬を連れた人、年配の人など、渓谷を目指す人は様々です。バスは頻発しており、あまり待たずに乗ることができました。渓谷の入り口まで九十九折の山道を上ります。

ソアソ圏谷を流れ落ちる“馬のしっぽ”コラ・デ・カバージョ滝 ソアソ圏谷を流れ落ちる“馬のしっぽ”コラ・デ・カバージョ滝

ハイキング中の見どころはバラエティに富んだ滝

国立公園の入り口は標高約1305メートルの地点にあり、目的地のソアソ圏谷(標高1755メートル)までは往復17.5キロの行程です。公園入口にはカフェテリアと土産物屋、トイレがあります。さあ、トイレを済ませていよいよ出発。オルデサ渓谷の谷底を流れるアラサス川沿いを歩きます。しばらくは緑の濃い森の中を上っていきます。道中にはいくつもの滝があり、見どころとなっていますが、その中でも迫力のあるエストレーチョ滝,テーブル上の岩の重なりをなだらかに滑るソアソ滝,そしてソアソ圏谷のどん突きにある、“馬のしっぽ”の意味のコラ・デ・カバージョ滝の三つはとくに見ごたえがありました。

ここは地上の極楽!? ソアソ圏谷

森の中をしばらく歩き続けると、やがて森が終わり、視界が開けます。両側には切り立った岩壁が連なり、道沿いは草木が茂っています。私はあまり草花に詳しくないのですが、アザミ科の花など平地では見られない花がたくさん咲いていました。そして、そろそろ疲れて足が重くなってきたころ、ソアソ滝の横の急な岩場を登ったところに、ついにソアソ圏谷が現れました。そこはとても不思議な場所でした。岩山の壁に囲まれた広ーい草原の真ん中を、最奥のコラ・デ・カバージョ滝まで一本道が続いています。なんというのでしょう、“極楽”とか“天国”にたどり着いたような気分でした。

ペルディード山を見るならオルデサ渓谷へ!!

その時に一緒に歩いた友人たちも、同じように感じたと言います。前年にフランス側の圏谷を歩いた時には感じなかった、不思議な感覚でした。圏谷の奥の真正面にペルディード山(3355メートル)が見えます。ふわふわと高揚した気分で、ペルディード山を正面に見ながら一本道を歩き、コラ・デ・カバージョ滝の前までやってきました。スペイン人たちがみんな靴を脱いで川に足を浸け、休息しています。我々も山々と滝を眺めながら、贅沢なランチを食べ、麓に戻りました。大満足の素晴らしいハイキングでした。果たせなかった4WD車によるオルデサ渓谷の展望台巡りは、いずれ必ずリベンジしたいと思います。ピレネー山脈のペルディード山を見るなら、私は断然スペイン側をおすすめします!!