中世の城壁が完璧な姿で残っている町

スペインで城壁の町というとまず頭に浮かぶのはアビラです。アビラの城壁は、11世紀末にキリスト教徒がトレドをイスラム教徒から奪還した後に、イスラム教徒から町を守るために9年の歳月をかけて造られました。ヨーロッパには城壁に囲まれた町がいくつもありますが、その多くは崩壊したり撤廃されたりして、原型をとどめていません。アビラの城壁の特筆すべきところは、11世紀末に造られた部分がほとんど完璧に残っている点です。これほど古くて保存状態の良い城壁は、ヨーロッパ広しといえどもなかなかありません。

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88もの塔が印象的なアビラの城壁

マドリードからアビラへのアクセスは、バスか列車で1時間20分〜2時間。列車の方が本数が多く出ています。アビラに着いたらバスターミナルからは徒歩10分、鉄道駅からは徒歩15分ほどで城壁に到着します。標高1000mを超える高原に建つ全長約2.5km、高さ約12m、厚さ約3m、88の塔と9つの門がある城壁は、建設当時ヨーロッパ最大の規模を誇りました。アビラの城壁はただの平面的な壁ではなく、88もの円柱状の塔が等間隔に連なっています。そこに太陽が影を刻んだ姿はまさに唯一無二の景観といえるでしょう。夜のライトアップされた城壁もまた幻想的な美しさです。

見上げてよし、歩いてよし、遠くからの眺めよし

城壁の美しさをじっくりと堪能するなら、まずは城壁の外側を歩いてみましょう。塔の連なる城壁を間近から見上げると、そのスケールに圧倒されます。城壁の中に一歩入るとそこは中世の世界。今度は城壁に上ってアビラの旧市街を上から一望します。緩やかな傾斜の上に築かれた旧市街の甍の波と、最も高いところに建つカテドラルの威容が眼下に広がります。今度は城壁を出て、西のアダハ川を越えたところにある展望台「クアトロ・ポステス」まで行ってみましょう。ここからは城壁にぐるりと囲まれた旧市街の全景を見ることができます。

名物のアビラ牛を食べよう

アビラでのランチのおすすめは、名物の“アビラ牛”。レストランに入ったら迷わず「チュレトン・デ・アビラ(Chuletón de Ávila)」をオーダーしましょう。チュレトンとはTボーンステーキのこと。スペインの牛肉は日本の牛肉のような霜降りではなく、赤身のお肉です。一人前を頼むと500〜600グラムくらいの巨大なステーキが出てきて、まずそのボリュームにびっくりします。炭火焼のステーキの味つけは超シンプルで、ほんのちょっとの塩だけ。その分ジューシーな肉本来の旨みが味わえます。赤身のお肉なので、焼き加減はレアがおすすめ。これがまた、赤ワインによく合うんです。昼からステーキにワイン! 旅ならではの贅沢なひとときですね。