- 鈴木美佐子
- スペイン、バルセロナ在住。大学時代マドリッドに留学。それ以来スペインに魅了される。東京のOLからスペインへ転職を決意し、渡西。スペインの芸術・文化・グルメ情報をサイト「BCNBOOK」にて発信中。ワイン好きが高じてワインアドバイザーの資格も取得し、スペインワイン&料理に魅力を感じている毎日です。
出発エリアをに変更しました。
ローマ遺跡円形競技場。中の観客席に入場することも可能です。中世に上に建築されたロマネスクの教会の廃墟も中央に
バルセロナから地中海にそって南西約90KMにあるタラゴナは、バルセロナから電車で約一時間と交通の便もよく、日帰り小旅行に是非足を伸ばしたい街です。この町がローマ帝国に征服されたのは紀元前218年、それ以来約600年間ほどタラコという名前で、ローマ人のイベリア半島支配拠点の地として繁栄しました。現在でもその時代の遺跡が街中に点在し、歩いているだけで遺跡にぶつかる!といっても大げさではないほど、ローマの時代の面影がところどころに残っています。
まず市内にはいって必ず立ち止まるのが、地中海のバルコニー(BARCO DEL MEDITERANI)。名前の通り、その下には地中海が広がり、円形競技場が目に入ります。地中海をバックに目にするローマ遺跡はとても美しい光景です。2世紀に建築されたこの競技場はなんと一万人収容だったそうです!当時はグラディーエイターが猛獣と戦い、沢山の観客で賑わっていたのでしょう……その後3世紀頃にはキリスト教迫害・処刑の場となり、中世にはロマネスクの教会が建築、と歴史の深さを感じさせる遺跡です。
水道橋。現存している部分は極一部。周りは公園で人気がないところなので、一人で行かないほうが無難です
悪魔の橋と呼ばれる水道橋は郊外にありますが、是非見に行くことをお勧めします! この水道橋はスペインでも2番目に大きいローマの水道橋。まずそのスケールの大きさに驚きます!ローマ時代、タラゴナ市内にこの橋が水を供給していたのです。当時はタラゴナの町までこの橋が続いていたことを想像するだけで、町の繁栄を窺い知ることができます。水道橋の上は(つまり水が通っていたところ)、なんと自由に歩くことができるのです!(柵もなにもないので要注意)ローマの遺跡を肌で感じること間違いありません。
CIRC ROMANSの内部。この様道が円形競技場の周りにいくつも存在していたそうです。ただただ大きさに驚きます。当時の模型もPRETORIに展示してあるので、街を思い描いて!
PRETORI(紀元前1世紀の長官公邸)やCIRC ROMANS(二頭馬車の競争が行われた円形競技場の一部)に入るとローマ時代の街がいかに大きかったかということがわかります。現在アクセスできるのは本当にごく一部なのです。他にも見るべき遺跡は沢山ありますが、城壁に囲まれた旧市街を是非のんびりと散歩してみるのはいかがでしょう?広場にはローマ時代の柱があったり、遺跡の上アパートが建っていたり……思いがけず、遺跡にぶつかることも!まさにローマ遺跡とともに生活し続ける町なのです。
■タラゴナ
バルセロナサンツ駅から約一時間 一時間に1〜2本(パセオデグラシア駅にも停車する電車もある)
■水道橋 市場の前から50番 75番のバスで行きは10分ほど。帰りも同じバス停から市内にもどる(周回しているバス)
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