豊かな食材に驚くスペインの市場

市場はその町の住人の胃袋だといいますが、バルセロナの旧市街にある有名な市場「サン・ジョセップ市場」、通称「ボケリア」を見て回ると、スペイン人の健啖ぶりがよくわかります。豊かな魚介、頭や足まで置いてある臓物専門の店、ウサギを壁に吊るしている肉屋、何種類もあるトマト。秋には旬のキノコが八百屋にずらりと並びます。その中には日本人であるわたしたちにはあまり馴染みのない「珍味」にあたる食材もいくつかあります。今日はスペインの珍味をご紹介しましょう。

試してみたいスペインの珍味、ウナギの稚魚とカタツムリそして亀の手 試してみたいスペインの珍味、ウナギの稚魚とカタツムリそして亀の手

カタツムリは庶民的なバルのつまみ

フランスでは、大型のカタツムリにバターソースを絡めたエスカルゴと呼ばれる高級料理が有名ですが、スペインのカタツムリは「カラコレス」と呼ばれ、アンダルシア地方ではバルのタパスとしてよく食べられています。ニンニクとトマト、数種類のハーブで煮込まれたカラコレスを、日本のツブ貝のように爪楊枝で殻から取り出してちびちび食べるのですが、小ぶりのカタツムリがぞろっと小皿に盛られて出てくると、ちょっとどきどきします(笑)。お味は、ハーブの風味が独特ですが、ソースの美味しい店のものは美味しいですね。爪楊枝で取り出したら、ヤリとツノを出した状態のカラコレスが出てきて、またちょっとどきどきします(笑)

高級食材ウナギの稚魚、もどきが旨い!

北スペインで食べられる有名な料理の一つが「アングーラス・アル・アヒージョ」、ウナギの稚魚のニンニクオイル煮です。「アングーラ」とはウナギの稚魚のことで、生の状態だとシラウオのように透明です。このアングーラ、非常に高級な食材で、なんと1キロ10万円以上するんです!庶民には高嶺の花ですね。そこでスペイン人が編み出したのが、魚のすり身で作った「グーラ」というもどき食材で、イカ墨を使って目や背中の黒いところまでちゃんと再現されています。日本のカニカマと同じ発想です(笑)。これをニンニクオイルで煮ると美味しいんですよ。わたしは本物はまだ食べたことがありませんが、お手頃な“もどき”は大好きです。

究極の珍味、亀の手

市場の魚介の店の片隅に、奇怪なものが売られています。貝?甲殻類?日本では「亀の手」と呼ばれていますが、実にうまいネーミングだと思います。これフジツボの仲間なんですね。スペインでは「ペルセベス」という名前で、スペイン北部ガリシア地方の珍味。これまた高級食材です。さっと茹でたものを、つま先の部分を持って足の部分の皮を剥いて、中身をちゅるっと食べます。見た目はグロテスクですが、磯の香りと独特の歯ごたえがあり、噛みしめると甲殻類の甘みが感じられてまさしく珍味。シーフードの専門店で食べるとかなり高い一品になると思いますが、スペインに行ったら是非お試しください。